栗本丹洲著「千虫譜」のデータベース的なものを作りたい



生物情報

ニホンミツバチ

翻刻

蜂蜜本草ヲ考ルニ四種アリ石蜜木蜜土蜜家蜜ナリ薬用ニ供ス
ルニ木蜜上品ナルニ優ルハナシ大木根ニ近キ處空虚の内ニ房を作
リ南方暖所ニ小穴ヲ開テ出入リス是深山ノ人跡ナキ所に多シ今
人家往々ニ養フモノ原来是ヲ取ル家蜜ト云紀州熊野ニ
テ多ク養テ産業トス山蜜ト呼モノ最上品ナリ其他諸州
ヨリ出ス土佐ヨリ出ルモノ好品トス年を経テ白砂を凝結シテ不
壊味厚ク甘美ナリ。新鮮ナルモノ梅花ノ気ヲナシ餘味言外
ニ溢ル又肥ノ前鍋島大村産ノモノ厚味絶品ニシテ毎年
幕府に貢献アリ御用に備ヘラルルモノナリ凡ソ蜜蜂ノ
蜜ヲ作ルハ春末ヨリ秋末マテ出テ花蘂ヲ脛ニ塗リ付テ花
精液ヲ含ミ来テ房中ニツメ醸テ蜜トナス酒ヲカモスカ如シ
冬月風寒ヲ怖レ房中ニ蟄居ス其間ハ嘗テ醸シテ貯置タル蜜
ヲ糧ニ充食ウ蜜ハ蜂ノ粮也故ニ蜜ヲ割取ルニ粮ヲ残シテ取盡スベ
カラス取尽ス時ハ餓死ルニ至ル
其蜜ヲ作ル高山ノ大樹年久シク自然ト内朽空シクナリタル
者或ハ大石ノ間ニ巣ヲ結ヒ経年ナルヲ樵者
見付置テ冬初木ヲ切リ或ハ石ヲ
穿テ其巣ヲ出シ蜜ヲ得ル
モノ所謂木蜜石蜜ナリ
是を總テ山ミツト云
宋奭ノ説中ニ既ニ山蜜ノ名ア
リ是至テ上品ノモノ
ナリ又人家蜂
ヲ養ヒ置キ採タル蜜ヲカヒ
蜜と云是
即チ家蜜ナリ其蜂の花蘂及
津液ヲ採運

書き下し

現代語訳

蜂蜜を本草学で考えると、四種類ある。石蜜、木蜜、土蜜、家蜜である。薬用に使うのに
木蜜以上の上級品はない。大木の根の近くの所の空間の中に房を作り、南の暖かい所に
小さな穴を開いて出入りする。これは深い山奥の人がふみいれた事が無い所に多い。
今人が家で飼っているのも元々これを採っていた。これを家蜜と言う。
紀州熊野で、多く飼って産業としている。山蜜と呼ばれる物が最上級品である。
その他の州では、土佐より出るものが良品である。
年を経ると、白砂を固めたようになり壊れなくなったものは、濃厚で甘くておいしい。
新鮮な物も梅の花の香りがして、口の中に残る余韻はいいつくせない。
肥前州鍋島大村産の物は、味が濃厚で、絶品なので、毎年幕府に献上されている。
御用に供えられる物である。
だいたい蜜蜂が蜜を作るのは春の末から秋の末までで、後ろ足に花粉団子を塗り付けて、
花の汁を吸い、房の中で酒をかもすように、蜜にかもす。
冬月は寒風を恐れて房の中に閉じこもる。その間は、前にかもしてためておいた蜜を
食べて暮らす。
蜜は蜂の食料なので、蜜を割取る時に、食料をのこし、とりつくしてはいけない。
取りつくしてしまうと、蜂は餓死してしまう。
發せ海稜を経た大木が自然と内側が朽ちてできた穴、
或いは大石の間に巣を作って年を経た物を、木こりは見つけておいて、
初冬に木を切り倒す、或いは石を割り砕いて巣を出し得た蜜が
いわゆる木蜜、石蜜である。これらを総じて山蜜という。
宋奭*1の説の中に既に山蜜の名がある。
また、人家で蜂を飼って採った蜜を家蜜という。
その花粉団子と花の汁を集めて運(で醸す事は山蜜と異ならない――次ページ

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