栗本丹洲著「千虫譜」のデータベース的なものを作りたい



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同前五品

芹葉鉤吻蠹虫 丙子閏八月念三日自採写
和名キゲマント云毒草ナリ江州ニテヘビニンジン
土州ニテヲバコロシ勢州ニテヒトコヘヨボリト
云此葉ヲ生ニテ咬汁ヲ飲バ即時ニ血ヲハキ
一声ワツト號叫シテ卒死ス故ニ一声呼リノ
名アリ大葉ノモノ葉白色ヲ帯冬春
霜雪ヲ凌テ不凋ニ三月一ニ尺許茎
ヲ抽テ穂ヲナシ花ヲ開ク紫菫花ニ異
ナラズ黄色ナリ茎ヲ断ハ黄汁出甚
悪臭アリ別テ此モノ大毒アリ
小葉ノモノハ形一般ナレ共葉サキ
尖リ毒同シ路傍樹陰向陽ノ
石垣ノ間ニ生スルモノナリ
大観本草ニ菫黄花者害人ト云
モノ是ナリ金匱要略ニ鉤吻与芹葉相似
誤食之殺人ト云モノモ即此物ニシテ一種大芹
毒芹ト云モノニ充ル説ハ非ナリ此モノ其毒猛

烈ナリ即芹葉ノ鉤吻ナリ偶園中ニ自
生スル事アリ早ク堀
採深ク地ヲホリ埋棄ベシ

書き下し

現代語訳

同前五品*1

芹葉鉤吻蠹虫 丙子閏*2八月二十三日自分で採って写す
和名キゲマントいう毒草である。江州*3ではヘビニンジン
土州*4ではヲバコロシ勢州*5ニテヒトコヘヨボリと
いう。この葉を生で咬み、汁を飲めば、すぐに血を吐き
一声ワッと叫んで、號叫シテ突然死する。その為、「一声呼ばり」の
名がある。大葉のモノ葉は白色ヲおびて、冬春
霜と雪に耐えて、枯れない。ニ、三月一、二尺*6くらい茎
をのばして、穂ができて花が開く、紫菫花*7と異
ならないが黄色である。茎を切ると黄色い汁が出て、とても
くさい。とりわけ、この草は猛毒がある
小さいものは形は普通だけれども、葉先
尖り毒は同じ。路傍の木の影で日のあたる
石垣の間に生える物である。
大観本草*8に菫黄花は人を害すという
ものはこれである。金匱要略*9に、芹の葉に似た鉤吻*10
誤って食い人が死んだというものも、これである。大芹
毒芹というものに充てる説は間違っている。これが毒の猛

烈な芹葉の鉤吻である。偶々園中に自
生する事があるので、早く掘り取り、地を 事アリ早ク堀
採深ク地を掘り、埋め捨てる事。

備考


蛹のつく枝の描き方がA本と異なり雑。日本画の形式で描いたような枝となっている。

この左頁ではキケマンの特徴と、その毒性の強さを論じるあまり、
それにつくイモムシの説明は忘れられた模様。
足の本数から考えて鱗翅目*11なのだが、
近縁のムラサキケマン*12を食用とするウスバシロチョウの幼虫にもみえない。
一体このイモムシは何なのであろうか。専門家の意見を待ちたい。

なお、キケマンが猛毒なのは確かだが、早くても症状が出るのは一時間後
吐血などの症状はでない。

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