栗本丹洲著「千虫譜」のデータベース的なものを作りたい



生物情報

翻刻

(右頁右文)
西丸ヨリ鑑定スヘキ由甲申九月十九日来リ翌廿日返呈ス俗名鬼
蚊ト呼由ヲ申上ル  ベツカウフノ蚊トモ云人ヲ刺事ヲセズ

(右頁中、右から)
手ノフシクロ 此ノトコロ白クスキトヲル
アシノフシ半分ホドキイロ
羽ノモトキイロ

金亀子全図
大サ如く図行則
作双

(左頁)
金亀子 一名金花虫 筑紫方言金虫キンチウ 奥州桶谷方言手枕タマクラ
          城州吉田方言陳笠虫ヂンガサ

昌蔵謹按本綱蛗螽付録引北戸録云金
亀子甲虫也出嶺南五月六日生草蔓上大
如楡莢背如金貼行則成隻死則金随
滅故以粉養令人有媍也又引羅浮山䟽
云山有金花虫大如班𧎻文釆如金形似
亀可養玩数日
再閲潜確類書巻十七引嶺表録異云金亀子甲虫
也春夏間生于草木上如小指甲飛即不類泊
草蔓上細視之真金色亀兒也行必成隻南
人採之陰乾装以金翠為首飾之物
粤西偶記云七八月之交有金亀虫大如黄豆頭甲
足尾宛然亀也色如赤金多生扁豆葉上亦能飛乾
之可為婦人首飾
益部放物記金虫出利州山中蜂躰緑色如金里
人取以佐婦人釵環之飾云 右ノ金虫ト云モノハ今云
宋ノ薛士隆金亀賦序金亀瓜蠹也似亀而小首足介尾或具色若黄ハ金烏惟
其■乎外者軽明若雲母有翅付甲而生巨領双鬚腹下足与亀無異

書き下し

現代語訳

(右頁右文)
西丸*1ヨリ鑑定せよとのことで甲申*2九月十九日持ち込まれた。翌二十日に返す。俗名はオニ
カトと呼ぶと申し上げた。  ベッコウノカとも言う。人は刺さない。

(右頁中、右から)
手の節は黒。 ここの所は白く透き通る。
足の節半分くらい黄色 
羽の根もと、黄色

金亀子全図
大さは図の通り。 行則
作双*3

(左頁)
金亀子 一名金花虫 筑紫*4方言金虫キンチウ 奥州*5桶谷*6方言手枕虫タマクラ
          城州*7吉田方言陳笠虫ヂンガサ

私が謹んで考えるに、本綱*8蛗螽の付録の所に北戸録*9云金
亀子は甲虫である。嶺南*10に、五月六日草蔓の上に出る。大さ
ニレの実のさやに似て、背には金箔を貼ったようで、成隻死*11すると、金は
輝きをうしなう。なので、粉で人に飼わせる媍*12もいる。また、羅浮山䟽*13を引くと
山に金花虫がいるという。大きさはハンミョウぐらいで、文の色は金のようで、形は
亀に似て数日飼っていたという。
また、潜確類書巻十七*14みると、嶺表録異*15引用して、金亀子は甲虫だという。
草蔓の上をよく見ると、真金色亀兒*16である。行必成隻南*17
人は採ってこれを陰干しして、金や翡翠の様に首飾りにする。
粤西偶記*18云七八月交わりがある。金亀虫大きさ大如大豆ぐらいで
足尾は亀の様である。色赤金色で、豆の葉の上に、たくさんいる。またよく飛ぶ。また、これを干して
婦人の首飾りにする。
益部放物記*19利州*20山中では金虫、体が緑色で金のようなハチが出る。
里の人はこれを採って、婦人のかんざしや腕輪の為の助けとする。右の金虫と謂うものは、今でいう
宋の薛士隆*21金亀賦序金亀*22瓜につく虫である。亀に似て、小さく、首足介尾*23或いは若黄色は金の様な色をして、惟
其■(日の下に月)乎*24外は軽く明るい雲母*25様な羽がある甲は大きい頭も触角も腹下にあり 生巨領双鬚腹下足与亀無異*26

備考

記述から、北戸録の金亀虫と、薛士隆の金亀がジンガサハムシの仲間(カメノコハムシ類)と考えられる。
一部のカメムシやカメノコハムシの仲間は死んでしまうと金属色が輝きを失ってしまう。
それ故、潜確類書や粤西偶記など、干してアクセサリーにするというのは玉虫の類だろう。
また、益部放物記金色に光るハチと云から、セイボウの仲間ではないかと思う。

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