栗本丹洲著「千虫譜」のデータベース的なものを作りたい



生物情報

翻刻

蜈蚣 ハガチ古訓ナリ日本紀ニ出
今上総ニテハガチト云古称ヲ失ハザル事
奇ト云ベシ今普通ニムカデト呼之又和
名抄ニ見ヘタリ此モノ節々赤足アリテ
相対ス按ニ蕪湖懸志曰五月五日取紅
首ノ者可以攻毒若中其毒用鳥鶏糞
■(てへん+査)之即愈最畏蛞蜒蚰触之ナメクヂリナリ
大和本草手両々相向フ故ニムカデト名クト
云事物紺珠ニ四十足ト云今試ニ然リ俗ニ
百足ノ字ヲ用ユルハ非ナリ幽谷土中ニ
ハ青背青足ノモノ多シ

文化十二年乙亥冬十月豊前国小
倉中津口村与萩崎村際有一小流生奇
虫数千其色五彩長三四寸許如下図自
昏至晨浮游上日出乃不知所之土
人呼謂豊年虫自五日至十日而不見
今茲米■(人偏+買)殊賤是其徴乎因姑図其
形似記其実事云西田直養誌
右ノ虫図并々説ヲ借覧スルマヽ写
之此図モ写真非ス何ト名謂スル
事ヲ不知姑クコヽニ帖シテ侘日博洽君
子ノ睇哨鮓ノミ
小笠原本年家臣騒動ノ事アリ亦
其徴ナル乎ト云人アリキ

書き下し

現代語訳

蜈蚣 ハガチが古い読み方である。日本紀*1に出る。
今は、上総*2では、ハガチという。古い名を失わずにいる事は
珍しいというべきだ。普通にムカデと呼ぶのは、和
名抄*3に見られる。これは、節々に赤い足があって、 
向かい合っている。思うに、蕪湖懸志*4五月五日取る紅
首の者は、可以攻毒若中其毒用鳥鶏糞*5
■(てへん+査)之即愈最畏蛞蜒蚰触。之ナメクヂリナリ*6
大和本草*7手が両々に向かい合う故に、ムカデと名つくと
いう。事物紺珠*8ニ四十足という。今試すに、その通りだった。俗に
百足の字を用いるのは、間違っている。深い谷の土の中に 
は、青い背中に青い足の物が多い。

文化十二年乙亥*9冬十月豊前国*10
倉中津口村与萩崎村の際にある、小川があり、下の図のような
色五色長さ三四寸*11ほど
の奇妙な虫が、数千、。 数千其色五彩長三四寸許如下図
夕暮れから朝にかけて、遊泳し日がのぼると、どこにもいない。 
里の人は豊年虫と呼ぶ。虫は五日から十日で見られなくなる。
いまここに、米■(人偏+買。B本では價。価)特別米の価値が下がる印だ。なのでしばしらく
形を似せて記すその事実*12という、西田直養誌*13
右の虫図と合わせて、説を借り見るまま写す。
この図も写生ではない。なんという名か
しらない。しばらくここに、記して侘日*14に博識の君
子ノご意見を、あおぐだけである。
小笠原本年家臣騒動*15の事もあり、また
その印であると、いう人もいる。

備考

いわゆるバチ抜け、イソメやゴカイなどの多毛類が産卵の為、大潮の等の夜に
海の沖へ向かって、大量に地中から抜け出す事を指していると思われる。

この図は西田直養誌の写しで、丹洲が写生した物ではない。

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