栗本丹洲著「千虫譜」のデータベース的なものを作りたい



生物情報

翻刻

(右頁上段)
斑猫三種イツレ異品
丁亥三月尽栗翡庵此
長キ紅色ノ甲虫ヲ将来■*1
予ニ示ス頭上ニ両角アリ
天牛ニ似タリ額上
五黒星点アリ
 ○竹ノ皮肉中ニ
 居テ竹ヲ食
 フ虫 八月

(右頁下段)
其虫大如図

以て顕微鏡見
之大如此
俗ニカケダシ
ト云茶籠
中ヨリ走出ル

地膽
アリノオヤジ

(左頁上段)
梅樹ヨリ落ル蠋終ニ糸ヲ吐キ巣ヲ造ルスキダワラト云蚕繭ヲ
煮ルカ如クシテテグスヲ製スト云唐山ニテテグスヲ楓蚕糸ト云此虫
形蠋ニ似タリ其背上
又白毛ヲ生ス奥州会津ノ方言
シラガタユウ
ト云此虫ノ作
タル繭ニテ布
ヲオル毛織ノ如
ク至テツヨシ
ト云俗ニ毛虫織
ト云

(左頁下段)
此虫栗ニモツク五月九日写信
州飯田ニテ此虫ノマユヲ作ン
トスルトキ此腸ヲトリ
テクスヲ作ルコレヲ
ナラムシト云阿
州ニテ檪樹上卵
ヲ置テ殖豢
ストチカンゼウ
ト云テグスヲ作ル紀州ニテ
モ同シ専ラ
釣糸ニ用ユト聞ク

書き下し

現代語訳

斑猫三種どれも珍しい品
丁亥三月尽、栗翡庵*2 この
長くて赤い色の甲虫を 紅色ノ甲虫ヲ持ってきて
私に示した。頭上に両角がある。
カミキリムシに似ている。額の上に ニ似タリ額上
五つの黒星点がある。
 ○竹の皮肉の中に
 いて、竹を食
 う虫 八月

(右頁下段)
その虫大きさ、図の通り。

顕微鏡でもって見ると、以て顕微鏡見
このような大きさ。
これは、俗に、カケダシ
という。茶籠
の中から走り出る。

地膽
アリノオヤジ

(左頁上段)
梅の樹から落ちたイモムシは、ついに糸を吐き巣を作る。スキダワラという。蚕の繭を
煮るようにして、テグスをつくるという。中国で、テグス楓蚕糸という。この虫
形はイモムシに似ているが、背中の上に
白毛をはやしている。奥州*3会津の方言で
シラガタユウ
という。この虫が
作る繭で布
ヲ織ると、毛織の様に
大変丈夫である。
俗に、毛虫織と
いう。

(左頁下段)
この虫クリにもつく五月九日写
信州*4飯田では、この虫が繭を作ろう
とする時、その腸をとり、
テグスを作る。これを
ナラムシという。
阿州*5ではクヌギの木の上の卵
を置て養殖
する。トチカンジョウ
といって、テグスを作る。紀州*6でも
同じ。専ら、
釣り糸に用いると聞く。

備考

斑猫三種だが、黒字に赤い点が三つある物は、カメムシに見える。
紅色の甲虫はカミキリムシの仲間でよいと思う。
しかし、図が全体的に点在しすぎて、どれがどれを指しているのか、わかりづらい。
赤○の生物は八月に写したとあるので、「三月尽、栗翡庵」が持ってきた
赤いカミキリムシと一致しない。
B本では上から見た赤いカミキリムシが栗翡庵が持ってきた物、横向きの
図が、竹を食っていた虫、もう一つが、黒地に赤紋のカメムシで、斑猫三種としている。

テグスの作り方として、蚕の繭を煮るようにして、
テグスを取るというのはおそらく俗説で、
腸(絹糸線)から作るというのが、実際だろう。
詳しくは原本A1-50参照

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