栗本丹洲著「千虫譜」のデータベース的なものを作りたい



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(右頁)
日口中ヨリ一物ヲ吐出ス其形𥿻糸を聚メテ造レル剪綵花ノ如
シ其色黄青淡黒等数品アリ恰モ罌栗花ノ開ケルカ如ク
浅水上ヨリ観テ愛スルニ耐タリ漁人コレヲキンコ花サクト云物ニ
觸レハ乍チ口中ニ縮入テ見ヘザルナリ肉厚サ三四分腸ハ線條
ノ如ク肚内ニ充満〆空𦉄ノナシ黄緑ノ二色アリ黄腸ノモノ
ヲ上品トス緑腸ノモノ美ナラズ下品ナリ潮水ヲ呑ムノ外他物
ヲ啖フ事ナシコレニヨリテ此少ノ沙ニテモアル事ナシ尋常ノ海参
ノ腹中砂子ノミアルト逈ニ異ナリサルニヨリテ此物ヲ食フニ此
黄腸ヲ連子テ賞味スル事ナリ煮熟法アリコヽニ畧ス抑此モ
ノハ 本邦陸奥金華山海中ノミアリテ他州アル事ナシ嘗
テ聞ク東蝦夷地亦コノモノヲ産ス夷言カクラウタト云
海鼠ヲ単称ウタ
ト呼フヨシ   詳密ナル事ハ仙臺大槻子煥筆記金海一
珠ト云書ニ載ス
又按ルニ蝦夷海中ニ此モノ尋常の海鼠ニ雑リ得ル事多シ夷語フジコト

(左頁)
云夷人乾腊トナシテ食フ事ヲ不知〆尽ク■タリ識者アリテコ
レ金海参ナリ乾腊ニ作ラシムルト𧈧共其□キ乾ノ術ヲ会得セサル
ニ因テ腸出テ形甚麁醜ニ〆用ニ充ラズト聞ケリコレ其法ヲ得ハ国
益ナルベシ此文化乙亥ノ冬ノ事ナル由其地ニ役在セシ森氏ノ話ナリ
蘭山子ハ本草従新所載ノ光参ニ充ツ是ニ非ス其書云有刺者
名刺参無刺者名光参注云閩中海参色獨白類撑以竹□大如
掌味亦淡劣海上人復有以牛華偽作之ノ語アリ此即蠅山串
子ト俗称スルモノニ〆味甚薄劣下品ノモノナリ肥前五嶋或ハ薩
隅海中ノ産ナリ細竹両條ヲ以テ串キ乾タルモノ恰モ牛のノ頸皮ノ如
シ形大に〆刺ナシ白ク透明ナリ薬性纂要ニ海彡一種無肉刺色帯
白名為肥久通次之ト云モノ即此モノナリ近口朱佩章偶記ヲ閲ルニ
有無刺而黒白劈開者為瓜皮参色味倶不及刺参出交趾瓊
州等処一斤刺参可買十斤瓜皮参ト云モノヲ指ス其賤劣可
知也其金海鼠ニ至テハ 本邦東奥海中ノミ産スル処漢名穿

書き下し

現代語訳

(右頁)
日に口中から一つの物を吐出す。その形は絹糸を集めて作った剪綵花*1のようである。
その色、黄青淡黒など、数品あり、まるで、*2が開いたかのようだ。
浅水の上から見て、めでるのに値する。漁師はこれを、キンコ花咲くという。物に
ふれると、たちまち口の中に縮んで入り、見えなくなる。肉の厚さは三四分*3腸は線條
のように、腹の中に満ちていて、隙間はない。黄と緑の二色あり、黄腸のもの
を上級とする。緑腸のものは、おいしくなく、下級品である。潮水を飲む以外他の物
を食らう事がない。それによって、これは少しの砂もある事がない。普通のナマコ
の腹の中には砂のみあるのとはるかに異なるので、この物を食べるに、この
黄い腸を、連ねて賞味することである。煮熟法というものもあるがここでは略す。そもそも、このも
のは、 本国、陸奥*4金華山海中にだけあって、他の州ある事はない。
昔聞く、蝦夷地*5でもまた、この物がとれる。アイヌ語でカクラウタという。
ナマコ単体を 
と呼ぶ    詳細な事は、仙台の大槻子煥書いた金海一
*6という書に載っている。
また思うに、蝦夷海中にこのもの、普通のナマコに混ざってとれる事が多い。アイヌ語でフジコと

(左頁)
いう。アイヌ人は乾物として食う事を知らず、みんな棄ててしまう。識者がいって、こ
れはキンコであり、乾物に作らせたけれども、その□*7き乾燥させる術を会得できず
その為、腸が形がとても悪く、用をなさずときいた。その方法を得る事は国
益になるはずだ。この文化乙亥*8の冬の事蝦夷地に役在*9した森氏の話である。
蘭山*10は本草従新*11記載される光参にあてたのは、これではない。その書がいうには、刺があるもの
の名を刺参、刺の無い物の名を光参としている。注がいうには、閩中*12ナマコ色白だけで撑竹□*13でもってつく。大きさは
掌ぐらいで味はまた、淡泊で劣る。海上人*14また牛華*15でもって、偽物を作る事がある。その語りあり。((?
))これは八重山串
子と俗称するもので、味はとても薄く、劣っている下級品である。肥前*16五嶋*17または薩
*18海中でとれたものである。細竹日本でもって串刺し、乾かした物まるで牛の首の皮のようである。
形は大きく、刺なく、白く透明である。薬性纂要*19に海彡一種無肉刺*20色は
白を帯び、肥久弔般召鼎。味次之*21というものがこの物である。近口朱佩章偶記*22を見るに
刺が無く、黒白、裂いて開く物、瓜皮参というとある。色味、色味がなく、刺参 出交*23趾瓊
*24などでは一斤*25の刺参で十斤の瓜皮参が買えると云ものをさす。その劣っていることは
しるべきである。その金海鼠にいたっては 本国東奥海中だけでとれる。漢名を穿

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