栗本丹洲著「千虫譜」のデータベース的なものを作りたい



生物情報

翻刻

(右頁上段)
全蠍 一種極小者奇品也大毒虫若充
   火蝎可乎姑挙此説于左
謹按宋弁陽周密癸辛雑識
別集云北方毒螫有所謂火蝎
者比之常蝎極小其毒酷烈常
有客人数輩夏月小憇盤
水忽覚髀間奇痛徹心不可忍
遂急起索之則石面光瑩初無他物
僅行数歩則通身腫潰而殂其同
行異之意石下必有異遂起視之
見一蝎極小而色黒一人以竹杖撃
之竹皆爆裂而摯竹手亦腫
潰不旋踵而死近淂杜真人持
呪驅此害稍息

ウオルンベ
渋江長白蝦𡗝地ニ於テ図スルモノ
大サ如此急流水中ノ石ヲ起シ見
レハ付テアガルヨシ

(右頁下段)
ウンベキヽリ
蝦夷地ノ流水中石下ニ生ス大サ
図ノ如シ形全蠍ノ如ク両手
ニ鉗アリテ蟹螯ノ如シ長
尾刺アリ土黄色又赤
褐色ノモノ丹色ノモノ
アリ至テ大毒アリ夷人
毒箭ニ塗ル薬剤ヲ製
スルニ此モノヲ入ルト云

(左頁)
鎮江府志云
蠰俗呼天牛
坡仙詩
云両角
徒自長
空飛服箱為牛意何
益利吻穴枯桑
則謂天牛即
噛桑也大抵有票
者即為齧票

スギムシ コガ子ムシノ
赤褐色ノモノ也

書き下し

現代語訳

(右頁上段)
全蠍 一種きわめて小さい珍しい品である。強力な毒虫で、もし充てるなら
   火蝎だろうか。姑*1左の説をあげている。
私がつつしんで考えるには、宋弁陽*2周密著*3癸辛雑識
別集*4が述べるには、北方に毒虫がいる。いわゆる火蠍
は一般的な蠍よりとても小さいが毒はとても強い。
数人の客人がいた夏月の事、盤水*5で小休憩していた時、
忽ちもものあたりに、とても耐えられないような奇妙な痛みを覚え
急いで起きて、これを探したが、石面が輝くだけで他には何もなかった。
わずか数歩歩くと、全身が腫れあがり死んでしまった。仲間が
石の下に何か奇妙なことがあるに違いないと見ると
一匹のサソリのとても小さく黒いのがいた。一人が竹の杖でこれを打つと
竹が皆、はじけて裂けた、また、竹を打った手もまた腫れ
潰不旋踵*6死んでしまった。近淂杜真人持
呪驅此害稍息*7

ウオルンベ*8
渋江長白*9蝦𡗝地*10で描いたもの
大さはこのぐらいである。急流の中石を起こして見
たらついて、あがったそうだ。

(右頁下段)
ウンベキヽリ*11
蝦夷地*12の流水の中にいる。大きさは 
図の通り。形はサソリのようで、両手に 
ハサミがあって、カニのようである。長い 
尾に刺があり、黄色または、赤 
褐色にもの、丹色のものも
ある。すごい毒があり、アイヌ人は
毒矢に塗る、薬剤を作る
のに、このものを入れるという。

(左頁)
鎮江府志*13
蠰俗によぶ天牛
*14仙詩
いう両の角は、
無駄に長く
空を飛び箱におさまらない。牛というけれど、何の
益もなく、桑に穴をあけて枯らす。
天牛という。
桑を齧るものだ。大抵桑の木にいる。
者桑を齧るだけだ。

スギムシ コガネムシの
赤褐色のものである。

備考

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