栗本丹洲著「千虫譜」のデータベース的なものを作りたい



原本B

生物情報

翻刻

蜣螂コオイムシト云夏月飛行ス甲至テ堅シ板ニ当レバ足ヲタ々コミテ空死〆動カ
ズ歩ム時ハ羽ヲタヽミテ甲下ニ納ム飛ントスレバ先羽ヲ伸シテ甲外ヘ出シテ甲ヲ開テ飛
ブ事速ナリ甲ト腹トムツクリト高ク起ル仰ク時爪ニテ弾スレバ板上ニクル々廻ル
モノナリ暫クシテ手ヲ伸〆俯ス形ニナルモノナリ全形光澤アリテ黒漆ヲ以テ
塗モノヽ如シ手ニテ捻スレバ臭気アリ好テ不潔ニツクト云故ニ京誌ニテセンチコガ子
ト云腹下及脚赭色ノ小キ子ヲ負テ飛モノアリ小キダニノ如シ故ニ子負虫ノ名
アリ其子此光滑ノ甲上ヲ走ル事至
テハヤシ亦一奇ナリ此虫轉丸ノエアリト未其丸を轉スル処ヲ見ズ
其前ノニ脚ケラノ手ノ如クニ扁シ
丸ヲ轉スル事ナリヤスカルベシト思ハ
ルヽナリ
洪鐘起暗室瓢瓦落中□誰云轉丸手能
作殷雷聲 雍秀才題画
     草中七物巻中
或曰此虫西国九州地中甚多関東稀少也関東
偶有之皆形小西出者状大者多云センチコガ子ト云
テ賤ムモノナリ昌蔵按ニ秋月此物丸ヲ轉スル事時
ト〆アリ是其子ヲ生スル時ナリ徒ニ糞土ヲ轉スルニ
非ス其證考アリ同春翻胃門■■■■■*1裘即蜣螂処滾之弾丸糞土之
下皆有其弾中有白虫者如指大蠐螬一様云々此語ヲ以テ其子ナル事明白
ナリ東都稀ナル故ニ親ク此轉丸ヲ看タル人ナシ

書き下し

現代語訳

蜣螂コオイムシという。夏月、飛ぶ。甲は大変かたい。板にあたると、足をたたみこんで、死んだふりをして動か
ない。歩く時は羽をたたんで、甲の下にしまう。飛ぼうとするとき、先に羽を伸して甲の外へ出してから甲を開て飛
ぶのは速い。甲と腹とはむっくりと高く起き、仰向けの時、爪ではじくと、板の上でくるくる回る
ものである。しばらくして、手をのばして、うつぶせになるものである。全身にツヤがあって、黒漆でもって
塗る物のようである。手でつまめば、臭みがある。このんで、不潔につくという。*2そのため、京都では、センチコガネ*3
といいう。腹下および脚に赤茶色の小さい子を負って飛ぶ物がある。小さいダニのようである。*4そのため子負虫の名が
ある。その子がこのツヤのある甲の上を走るのは、とても
速い。これもまた一つの珍しいことである。この虫玉を転がすの絵があるというが、いまだその玉を転がすところを見ていない*5
その前のニ本の足は、ケラの手のように平たい。
玉を転がす事がしやすいだろうと
思われる。*6
洪鐘起暗室、瓢瓦落中□。誰云轉丸手、能
作殷雷聲 雍秀才題画
     草中七物巻中*7
あるいは聞くところによると、この虫は西国の九州地中にとても多く、関東では稀少であると。関東
に偶に有るこれは、みな形が小さく、西の物は大きいという。センチコガネといって、
いやがられるものである。私が思うに、秋月この物が玉を転がすのには、時
としてある。その子供が生じる時である。むやみに糞土を転がしている訳では
ない。その証明がある。同春翻胃門■■■■■*8裘、つまり、センチコガネの所たぎる、この弾丸糞土、これ
した、皆有るその玉中に有る、白い虫指大の甲虫の幼虫が一様にうんぬん。この語をもってその子である事はあきらか
である。江戸ではまれなので、よくこの玉を転がすのを見た人がいないのだ。

備考

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