丹洲が死ぬまで書き足していったと言われる自筆の原本Aと、
原本Aを元に、ある程度生物を種ごとに分類した原本Bが存在したといわれるが
どちらも火災にて焼失。
しかし、原本から直接模写したと思われる写本が、
国立国会図書館デジタルコレクションに収蔵され、閲覧できる。
ここでは、国立国会図書館デジタルコレクション 参考書誌研究44
『千虫譜』諸写本の比較 磯野直秀
にしたがい、服部雪斎が写した、幕府医官久志本家に伝わっていたものを原本A、
曲直瀬愛が原本から写させた写本を原本Bとしてあつかう。
原本A:
国立国会図書館デジタルコレクション 千虫譜
幕末医官久志本家に伝来の写本。
服部雪斎写。
図が最も精密で、原本Aの面影をもっともよく伝えていると思われる。
原本B:
国立国会図書館デジタルコレクション 栗氏千虫譜
現在確認されている唯一の原本Bの写本と思われる。
曲直瀬愛が、三橋生に写させた。
図の精緻さは久志本本に比べるとやや劣る。