アヅキアライ 羽があって飛ぶ事があるが、30cm〜60cm
に過ぎない。大きさは胡麻ほどあって、紙窓に止まって声を
出す。その音は小豆を洗う音に似ている。チャタテ
ムシの類だろう。とても小さい声である。
今虫眼鏡を使って写した。
虻の類ニ種
上図背浅黄色に
光る
△ホタルダマシ 蝿の一種である。ホタルに似ている。
羽が黒く蝿の翼のような紋脈をよくみればある。飛ぶ
のは大変遅い。やわらかく弱いので、手に取ると早く
弱るものである。指に黒い粉がつく。三月の頃でる。
○文政四
*2 辛巳年六月十四日土用前七日
西の丸から鑑定しろと
命があった。中山内匠頭
鵜殿藤三郎より手紙
にて申し出があった。
ホタルモドキ
十四年巳前文化五
*3辰ノ六月
二十七日に写した虫と同じ物だ。
土用に入る日である。 □
□ 体の質は堅い。六本の足は短い。その足をたたんで
腹に隠して、ヒゲが伸びている時は不動
*4のようすは
コメツキムシにもにている。コメツキムシよりひらたい。
腹に足を畳み込んだ時は、木の彫刻したようで、
つやはなく、よくみれば、細い條がある。触角は
至って柔らかく、横に断紋がある。人がふれれば
六脚をたたんでまるでないかのようだ。