これには、鬱血による痛みを和らげる効果がある。全図の側に記す。
肥前
*1方言
ノウツカミ
讃州
*2では
ノヅカミという
紀州
*3
マツダコという
伊予((イヨ。およそ愛媛))では
デンハチガラコ
筑前
*4では
ホネツギ
淡路ニテ
シャグマ テンバ
阿波ニテ
シワ
肥前五嶋では
ツナツカミ
佐州
*5では
ハナダコ
紀州
*6熊野では
又
皺人手という
海䖳 とは水母、和名クラゲの事。朱氏雑記
*7ニ『生のクラゲを(塩偏+奄)乾
*8すると、海蜇
*9という。廣東新語
*10では海蜇を干すには、八月に採って乾した物が、肉が厚く脆い。八月子と呼ばれる』という。一番おいしいといわれる。
日本の備前
*11筑後
*12の海でたくさん採れるクラゲと海茸
*13はこれらの土地の名物である。この二つの州は干潟
なので他の州と違って東海江戸にはない。形はひっくり返した荷葉
*14に似ている。水あかが
固まった物のようで、波と潮の動きに身をまかせ、水面に浮ぶ。眼口手足なし。ただ腹の下に
係
*15絮(長い糸)のような物が垂れている。そこに魚やエビが多く群がっている。その為エビの力で
動き、クラゲは自分で動く事はできない。その為、「水母目蝦」(人の意見に流されやすいという慣用句)という。正字通
*16『潮が満ちた時
若竹のいかだの様にエビを従えてやってきたクラゲは、潮が引き、エビがクラゲ達を棄てると、動く事ができない。その為人が剥いて剥食べる。また潮が来ると、
復活して海に帰る』という。その形容を尽くす
*17いうべきである。
廣東新語には『腹の下に足がある紛■
*18ピンクの物の名は蜇花といい、わずかに生臭いが味は良い』という。肥ノ前後
州
*19又備前筑後産に次ぐものである。俗に
唐クラゲというのは石灰ミョウバン
水を使って、その血を洗い去って、色を白くしたものをいう。もし石灰ノ毒
をとりされなければ、人に害があるという。舶来の
唐クラゲとは廣東新語の海蜇である。
色は黄白で薄ク葦のようで、形は円である。細ク切リ生姜酢ヲ和えて食べる。
味薄く、噛むと音がするのは
木耳ノようである。中国では乍魚、樗蒲魚等の異名がある。
本草
*20に魚の項目にあわせて分類されているが、私が考えるに、これはまちがっている。これは虫類であって魚ではない。今