千虫譜ウィキ - 原本A1-63


原本B

生物情報

トリバガ? カノコガ2種 ?ガ三種 タテハチョウの一種

翻刻

丑ノ十月七日■後園ニテ取之総体褐色枯葉ノ如ク黒白ノ斑文ウシロ尾ノ方ヨ
リ見レバ形如此尾魚ノ如ク上ノ方へソリ上リシヤチホコノゴトシ

鹿ノ子虫 蝿ノ類トス非ナリ羽
薄クスキトヲル黒キ処粉アリ
手ニツクヒカヘ羽アリ至テ小ナリ
一枚羽ノ如シ蛾ノ類ナリコレ笹
ニツク赤ノ毛虫ヨリ羽化スト

書き下し

現代語訳

丑ノ十月七日*1■後園で*2とる。全体が木葉のような褐色で黒白のまだら文ある。後ろの尾の方から
見ると、形はこのようで、尾は魚の様に上の方へそり上がりシャチホコのようだ。

鹿ノ子鹿の子カノコ虫 蝿の類とするのは間違いである。羽に
薄くすきとおる。黒い所に粉があり、
手につく。後ろ羽があり、大変小さい。
その為一枚しか羽が無いようにみえる。蛾の類である。これは笹
につく赤い毛虫から羽化すると
いう。

備考

カノコガの食草はタンポポ、スイバ、シロツメクサ、スギナ、枯葉など。
幼虫は黒い毛虫。なので、「笹を食い、赤い毛虫という」話は間違いである。
下の図に比べて、上の図が何故か雑。

あとは左頁下段のタテハチョウ一種以外、未明。
タテハチョウも種類が多く、詳細な種は、未明。
専門家の意見を待つ。