千虫譜ウィキ - 原本A1-80


原本B

生物情報

翻刻

指甲螺 閩書   一名土銚 一名沙屑
     三才図絵 一名江橈 福州府志
メクハジヤ 肥後肥前
オトメガイ 備前
漳州府志云江橈緑殻白尾其形如
船橈故泉郡志以形如指甲名指
甲螺
泉南雑志北方謂泥磚曰土坯普江有
貝属亦曰土坯緑殻
白尾其旁有毛
台湾府志海豆芽一名塗杯
人多食ヘバ此介ノ状ノ如キ赤班ヲ発ス
魚ニ酔タルカ如シ此時ハ立ニ紅花一味ヲ
煎服セシムレハ即座ニ解スト云フ石州
浜田方言カゲロフガイ

書き下し

現代語訳

指甲螺 閩書   一名土銚 一名沙屑
     三才図絵 一名江橈 福州府志
メカジャ  肥後*1肥前*2
オトメガイ 備前*3
漳州府志*4がいうには、江橈は緑の殻を持ち白い尾をしている。
その形が、船橈*5に似ているので、泉郡志*6では形が指の爪に似ているので
指甲螺と呼ぶ。*7
泉南雑志*8によると、北方では、泥磚という。というのも、粘土質の普江*9いる
貝類だから。また、土坯緑殻ともいう。白い尾があり、その傍に毛が生えている。
台湾府志*10では海豆芽という。また塗杯ともいう。
多食すると、この貝の形のような赤いまだら模様が体に出る。
それは魚に当った時の様である。こういう時は、紅花を一種を
煎じてのませれば、すぐに治るという。石州*11
浜田方言カゲロウガイ

備考

貝に似ているが、腕足類という別種の生物。
多食すると、魚に当ったようなじんましんができる旨記されている。
詳しくは専門家の意見を待ちたい。