千虫譜ウィキ - 原本A1-81


原本B

生物情報

翻刻

綱目雲師雨虎 云形如蚕長六寸似兎雨虎似蛹長七八寸似蛭欲雨
時出在石上肉甘可熟而食之
和名アメフラシ 尾州方言
微ニ此モノニ触ルヽ時ハ忽ニ紫汁ヲ出ス
モノナリ水戸ノ浜ニテ図取処也
赤ベカ 佐州 ウミウシ
サウモ 防州 一名ベイコ
海ウサギ 筑紫 亦 ウミウシ

石蠹 奇品往年渋江長伯命
   採薬於豆州帰府携来者

書き下し

現代語訳

綱目*1では雲師、雨虎 蚕の如く長さ六七寸*2兎に似る。雨虎は蛹に似て、長さ七八寸*3似カエルのように、雨が降ると
石の上に上がりたがる。肉は甘く、よく加熱してこれを食べるべきである。
和名アメフラシ 尾州*4方言
すこしでも、これを触ると、たちまち紫色の汁を出す。
水戸の浜で描いたものである。
赤ベカ 佐州*5 ウミウシ
サウモ 防州*6 またの名ベイコ
海ウサギ 筑紫*7 亦 ウミウシ

石蠹 奇品往年渋江長伯*8命令を受けて
   薬として豆州*9で採って供の者と幕府にかえった。

備考

現在日本にもアメフラシを食す習慣が極一部に残っているが
基本的に毒性を持つ物が多いので、試そうと考えないように。