(右頁上段)
蠐螬
*1の大変小さいのがあった。
夏至の頃、土中で蛹になった。
図のように薄い皮で包つつまれていた。 薄皮
何の虫になるか、
しらないので、土の上に四、五日
置いておいたらある朝、また脱皮して
コガネムシになった。
最初は色が白く、最後は
淡い緑に光リ、一日
通してやっと全身黒く、
背は緑色に変わった。
また、金色を帯びた
とき、よく飛ぶようになった。
(右頁下段)
天牛
*2 脱皮して出てすぐは、色が白く、脆く
柔らかい。風にあたって、半日ほどで
図のように黄褐色に変わった。
その後、純黒になり、漆のようなツヤ
がでた。
(左頁)
梧桐
*3の皮の上にいたハエである。普通のハエと比べると、とても小さい。余裕を持って大きく描いた
のは顕微鏡で見た大きさである。羽に斑模様があって美しい。
文化乙亥
*4仲春
西城
*5命でこれを写した。