螃蟹 一名毛蟹 和名ヅカニ モクズガニとも
寧波府志 また台湾府志出てく
る毛蟹は渓■
*1中に生き刺さるような毛が生えている。秋の後、肥えて
おいしい。
このカニは山の川深い流の所に生き、秋八九月
下流に下る。ソバの花が咲く頃、大雨が
あって、水がみなぎって流れる時多く下る。
微かに毒がある。
病人は決して食べ
てはいけない。金
瘡
*2で筋
が断たれたのを
くっつけるのに、
この黄膏
*3を
用いる。このカニの甲を
破り、中の黄色い膏状の物を取り
素焼きの器に、入れて陰干しし、
細かい粉末にして
ミルクにあわせて、
傷の側に
伝えると、いいとする。
貝原
*4翁が試た方法
で大和本草
*5にも、説を出している。
蟹と書いてある。江戸の戸田川中川
利根川みな生息している。また、上■
*6の長い流水中の
樋の中にいる事も聞く。伯州散
*7にはこのカニを
用いるべきである。