土蟀 福州府志
*1
和名ゴカイ又海ミミズ
海と、
河川との
境に生息する。泥砂の中を掘ってとる。
形は扁で、両側に、細かな足がある。
牙があって、人の手をかむ。漁師は
砂糖水で、一匹を丸呑み
にして、淋病
*2を治すという。黒焼きにして
使って、長い間痛み、水ぶくれの固いもの 用テ久キ淋痛痘カタキモ
のに使うと優れた効き目があるという。
八九月ノ際、この物、砂の中から
出て、浮流れる事がある。
*3網で
すくいとって、冬から春に
なるまで、魚を釣る餌とする。
そのほか、年中この物を用いる。
年を重ねたものは、大きく四五寸
*4に
およぶ。延びれば、長く、縮めば太く短くなる。
ヒルのようである。わずかに毒があるという。