蜎々者蠋
*1 伝えていう。イモムシの桑につく虫で、蚕のような物である。 クハムシ 万葉集ニ
爾比具波
欲はこれが作った繭の事である。和名抄
*2「桑蠒」すなわち「桑蚕」である。唐韻
*3でいうには「蟓」
蛾の図の傍にこの和歌の事が詳しく載っている。見るべきである。和名抄
*4にクワマユという。
野蚕
ノラヲコ
クワコともいう。
六月三日写す
頭は大きく猿
面に似ている。
(左頁上段)
地蚕 ネキリムシ
昼は葉のうらか、根にかくれて、夜中
枝上にでてきて、葉や花の目を食べる。
草花の類に大変な害である。
とりわけ、剪紅羅
*5の花
のつぼみに食い入
るものである。タバコ
の粉あるいは、
タバコのヤニ汁
ヲ嫌う
ハリガネムシ ニ種 土中にいる。 一種
細長いものは、人が触るととても短く、歩く時
は細長くなる。長患いの人の床□辺、蒲団
の上の表面をつまんだゴミの中にこの虫が生じる
事がある。あぶらぎったツヤがあり、よく跳ね
踊り手でつまむ事が難しい。この
虫のわく病人は、難病にみえても、元通り回復する。