千虫譜ウィキ - 原本A2-49


原本B

生物情報

翻刻

(右頁上段)
石蚕 セムシ
 明和四年丁亥三月
鹽ノ虫
塩ノ塊中ニ居 八月

(右頁下段)
水蠆 ヤゴ ヤマメ筑紫
      タウメ
ヤモメ虫信州 田ソウ々琉名
初夏水ヲ出背裂テ蜻蛉トナル

(左頁上段)
水蠆異品 明和四五月
明和四年丁亥四月十一日仙
台矦ヨリ来
奥州才川ノ孫太郎
虫ト云又犀川虫共云
小児醬油ニヒタシ焙リ
食フ味鰻鱺ノ如シ
五疳虫気ヲ治ト云
九香虫ノ一種

(左頁下段)
水中虫 六月

尾州ニテウヲムシト云
其尾岐アリ魚ノ如シ
故ニ此名アリ

書き下し

現代語訳

(右頁上段)
石蚕 セムシ
 明和四年*1丁亥三月

塩の虫
塩の塊の中に居た 八月

(右頁下段)
水蠆 ヤゴ ヤマメ筑紫*2
      タウメ
ヤモメ虫信州*3 田ソウソウ琉名*4
初夏に水を出て背が裂てトンボになる。

(左頁上段)
水蠆異品 明和四五月
明和四年丁亥四月十一日
仙台矦*5から来る
奥州才川の孫太郎
虫という。又、犀川虫ともいう。
子供に醬油にひたし、焙って
食べると味はウナギのようである。 
五疳虫気*6を治すという。
九香虫*7の一種

(左頁下段)
水中虫 六月

尾州*8ではウヲムシという
その尾には分岐があり、魚のようである。
その為、この名がある。

備考