千虫譜ウィキ - 原本A2-56


原本B

生物情報

翻刻

(右頁上段)
ナメクジ

(右頁下段)
蝦夷産其背上有毛此奇品
也同僚渋江長伯所親看

(左頁上段)
スゞメノサカオケ 甲州方言サコケ
ト云コレサカヲケノ少畧セルツマリタ
ルナルベシ

雀甕一名天漿子 和名スゞメノタゴ

(左頁下段)
文政ニ己卯十一月二日朝隋観
写之 是雌雄交
媾者

書き下し

現代語訳

(右頁上段)
ナメクジ

(右頁下段)
蝦夷産其背上有毛此奇品
也同僚渋江長伯所親看

(左頁上段)
スズメノサカオケ 甲州*1方言サコケ
という。これはサカオケを省略しつまった、
表現である。

「雀甕」一名「天漿子」 和名スズメノタゴ

(左頁下段)
文政ニ*2己卯十一月二日、朝、そのまま観察して
これを写す。 これは雌雄の交尾である。

備考

ナメクジは雌雄同体であるが、交尾の図であることは間違いない。

渋江長伯の背に毛が生えたナメクジというのは、深い線条を
毛と見間違えたものか?