田鶏 タガヘル
水鶏ともいう。その肉白く炙って食べるとおいしい。ちなんで鶏の名がある。蛤を以って
呼ぶものも、又同じ意味である。味を試してみると赤かえるより淡泊で美味しくない。
一種、背上に一筋の黄 あるものを、本綱集解
*1中では所
鼃である。この類たくさん種類があり、総じて名が水蛙にして
好い声でうるさく鳴くものである。秘傳花
鏡
*2に鼃は一鼃が泣き始めると、百の皆鳴きその声は荘大で
鼃鼓となづく。秋に至れば、声はなくなるというのは、これ
である。和泉府志
*3青約と云う。
大きい物を大青約という。本鋼集
解
*4の土鴨は大青蛙の事である事
物紺珠
*5青蛙に似て、腹が大きくはなはだ鳴く
一名、耿鼃というのが、ここに図するところ
のもの、すなわちこれである。思うに、万葉集
五ニ
多爾具久をみいだせる。タニグクのサ
ワタルキハミ下略
*6億良
*7の哥他、クニグヽは蝦蟇
の事で、深谷の草木の中を簡単にくぐる為ついた名
であると宣長
*8の説である。