千虫譜ウィキ - 原本A2-63


原本B

生物情報

翻刻

樗鶏ウチスゞメ文政丙戌四月廿日佐藤氏ヲ訪フ時、燈火ノ光ヲ慕来ルモ
ノヲ捕ル

重クタル羽を開シレハ
下ノ小羽殊ニ深紅ニ〆美覌ナリ本草ニモ形類
蚕蛾但し腹大頭足微
黒翅両重外一重灰色
内一重深紅五色皆具
ル故紅娘子灰花蛾
ノ名アリ

書き下し

現代語訳

樗鶏ウチスズメ文政丙戌*1四月二十日佐藤氏*2ヲ訪ねる時、燈火の光をしたって来たのを
捕らえた。

重くたれた羽を開かせると、
下の小羽はことのほか深い紅色で、美しい眺めである。本草にも形類
蚕蛾*3ただし腹は大きく、頭足微は小さい
黒翅の両側に一重灰色を外に重ね
内に一重深紅を重ねる。五色皆具える
ため、紅娘子、灰花蛾
の名がある。

備考