千虫譜ウィキ - 原本A2-7


原本B

生物情報

翻刻

(左右頁上段)
小善母 異品
尾長グモト云
花ウツギニ
ツク四月廿
一日図之尾
至テ長ク形
竹ノ節ト云
虫ニ似タリ糸△

△上伸レハ八脚
ヲタヽミテ糸
ノ如クホ
ソシ

(下段)
酉十月十八日八角グモヲ取
ル全体トビイロ黒褐ノフ
アリ豹文ヲナス刺アラ々
ト八脚ニ生シテイカニモイ
カメシクオソロシ

書き下し

現代語訳

(左右頁上段)
小善母*1 異品
オナガグモト言う。
ハナウツギに
つく。四月二十一日
これを描く。
尾が大変長く、形は
「竹ノ節」という
*2ににている。糸が△

△上に伸びたら八脚
をたたんで、糸の
ノ様に細い。

(下段)
酉十月十八日に八角グモを取
ル。全体はトビ色、黒褐色の点
があり、ヒョウ柄をしている。トゲが荒々しく
八脚に生えていて、いかにもいかつく、
おそろしい。

備考

オナガグモと
褐色と剛毛、赤い点などが特徴的なクモ。
胸部が異様に大きいクモの三種が描かれる。
オナガグモは間違いないとして、
他の二つのクモはクモに明るくない編者には不明。
専門家の意見をまちたい。

丹洲はクモを分類する際、そのクモの脚の指す方向で
分ける傾向があるようだ。
庶民もそうであったかどうかは不明である。