蜾蠃 トクリバチ 七八月ノ頃■
*1螉
*2に似て小さい蜂が土を使って巣
を作り、垣根や石碑等に粘着している様子はザクロの実に似ている。また、陶器
の形に似ている。なので、トクリバチという。アオムシを引いて来て、巣の中に
七八個しまって、紙を張り付けるかのように、その口を閉ざす。これは子生
育をやめる際の食べ物にあてるものである。破ってみると、
蛆のような者が一つある。米粒より小さい。
日をかさねて、ようやくおおきくなり、黄白色のあと蜂
の形になると、茶色のものが、黒色になって、
穴を食い破って出て、飛び去る。その子が大きくな
るまでに、アオムシの体液を自然に吸い取る。
皆数個のアオムシがひからびたら、
蜂の子はようやく大きくなる。ある種は、小さいハエトリグモ数
個を竹筒の中の内にしまって、その穴の口を土で
閉じるものもいる。 封スルモノアリ共にその子の食べ物にして、まじないを
でもって、止めて、仲間にするのではない。似我ゞ
*3の声を出し、他の虫を含んで来る
のを人々が見て、この説を作った。綱目
*4の珍
*5の説に
詳しく述べられている所のままである。
螟蛉有子蜾蠃負之
*6