千虫譜ウィキ - 原本A2-77


原本B

生物情報

翻刻

蠮螉詩云蜾蠃尓雅云蒲蘆俗呼土蜂啣泥於人屋及器物邊作房
呪螟蛉以成其子故中庸以政譬其速肖也 鎮江府志

△ハチヲ敲逐去シメテ冷水ヲソヽキ陰処ヘ置ハ蘇
生シテ遁去ル往年螻蛄ヲ見コミタル
助シ事アリ

蜘蛛或ハ螻蛄又ハ尺蠖ノ類此ジガバチ
ノ状ヨリ倍ニ大ナルモノヲ己カ巣ニ
牽入ルヽニ口ニテ舐リ手ニテクスグル
モノニ似タリ忽然ト〆酔カ如ク
手足麻木ストミヘ□ク事アタハズ
〆遂ニコレガ為ニ擒セラル人アリハ
チヲ追去シムルニ一タビ去ト𧈧共又
来リテモトノ如ク牽去ル然ルニ△

書き下し

現代語訳

蠮螉詩*1では蜾蠃。尓雅*2では蒲蘆。俗に土蜂と呼ぶ。口に含んだ人家や物の辺に、房を作る。
アオムシにまじないでもって、その子にする為に。中庸*3政治がすばやく似る様子にたとえる。 鎮江府志*4

△ハチをたたいて、追い払い冷水を注ぎ、日陰においておくと、蘇
生して、逃げ去った。去年は見込まれたケラを
助けた事がある。

クモあるいはケラ又はシャクトリムシの類このジガバチ
の姿より、倍にもなる大きい物を自分の巣に
引き入れるのに、く口でなめて、手でくすぐる
のに似ている。突然に、よぱらったように、
手足が麻痺するように見え□*5ク事ができなくなる。 
そして、ついにこの為に、捨てさせようとする人がいても、
ハチを追い払わせても、一度、去っても、また
来て、もとのように、引っ張っていく。なので、△

備考

狩りバチに刺された虫に水をかけて、
陰に置いておいたら麻痺がきれて去っていたと書かれているが、
本当なのだろうか…