千虫譜ウィキ - 原本A2-78


原本B

生物情報

翻刻

(右頁上段)
好テ土ニ孔〆入ル内ノ細土ヲ
含ミ出テ其傍五六寸ハナレテ
置く土中ニ巣ヲ作ル蜘蛛或ハ
螟蛉ヲ含ミ来テ
吾子ノ餌トス
下ノ図ハ即チ
土孔ニ
入ル形
ナリ

(右頁下段)
ヂガ蜂 一種 人ヲ螫共
毒不甚

(左頁上段)
蠮螉 和名ジガバチ
土ニ孔〆入リ蜘蛛ヲ引入テ食フ似我々々
ト咒シ啼テ我子ニ化スト云モノ是ナリ

(左頁下段)
土蜜蜂
野州塩谷郡上塩原福和
田戸村山中有温泉処産

書き下し

現代語訳

(右頁上段)
好んで土に穴をして、入る。内の細かい土を
含んで出て、そのそば五六寸*1はなれて
置く。土中に巣を作り、クモまたは、
アオムシを含んで来て、
わが子の餌とする。
下の図は
土の孔に
入る姿
である。

(右頁下段)
ジガバチの 一種 人をさすけれども
毒はひどいものではない

(左頁上段)
蠮螉 和名ジガバチ
土に孔をして入りクモを引き入れて食う。ジガジガ
とまじないをして鳴き、わが子にするという物はこれである。

(左頁下段)
土蜜蜂
野州*2塩谷郡上塩原福和
田戸村*3山中に温泉がある処でこれが取れる。

備考