千虫譜ウィキ - 原本A2-81


原本B

生物情報

翻刻

(右頁上)
蚊 一種四脚者
人ヲ吮ハズ

(右頁下段)
蚊一種 嘴辺有眉如花九十月味割不然另種之
者又有害白色者倶不害于人

□蚊一種脚長セイ高シ
蚋ヨリ其毒甚シ竹
藪ヨリ出ル脚黒ク
斑ナシ

(左頁上段)
蚊一種最大者水辺沃土中ニ生スル長キ蛆ノ
化スル処ナリ熊蚊ト云筑前ニテ蚊ノ伯母ト△

云ルヨシ大和本草ニ云ヘリ江戸ニテ
蚊トンボウト云人ヲ吮ハズ

(左頁中段)
蚊子ヲニガ

(左頁下段)
一種赤ク羽褐色ノ○

○蚊アリ四月頃蚊ノ
出ル初ニ出ル

書き下し

現代語訳

(右頁上)
蚊の一種四ツ足の者
人をくわない。

(右頁下段)
蚊の一種 嘴の辺りに花の様な眉がある。九月十月味割不然另種之
者又有害白色者倶不害于人*1

□蚊の一種脚が長く、背が高い
ブヨより、毒はひどい。竹
やぶから出る。足は黒く、斑ナシ
斑はない

(左頁上段)
蚊一種最も大きい者で、水辺の肥沃な土の中に生じる長いウジのようなものが
羽化した物である。熊蚊という。筑前*2では蚊の伯母と△

いう。大和本草*3で言っている。江戸では、
蚊トンボウといって、人をくわない。

(左頁中段)
蚊子ヲニガ

(左頁下段)
一種、赤く羽が褐色の○

○蚊がいる。四月頃蚊の
ではじめに出る。

備考