(右頁上段)
䗿母 和名松蝉
三月十九日
蝉花 セミタケ
(右頁下段)
寒蝉 ツクツクボウシ
寒螀
(左頁)
蝉花 己卯
*1七月蘭苑、増嶋金之丞
*2庭園中の樹下毎年たくさん生える。
蝉花、本年は、少ないそうだが、ニ三茎を得られたといって、所
贈してくれたものである。長茎二四寸
*3のものは、茎の半ばから七茎に分かれていて、
ほんとうに、奇品である。なので、その形を写した。
ただし、増嶋氏宅の家は本庄一ツ目弁財天中路である。
蝉花が生たとき、地面を掘って、完全な物を得た。毎年
生える地には、七八月の頃の雨の後にある。頭上から白いもの、
一茎または二茎 生える物が多
い。その頭の先□
*4臙脂色を帯
て美しい。腐ったような湿化たキノコの臭いがある。俗にセミタケ
ト言う。 丹洲手模写