千虫譜ウィキ - 原本A2-85


原本B

生物情報

翻刻

(右頁)
一種蚊ノ巨大ナルモノ人ヲ螫事ナシ俗名蚊ノヲバ又カトウンボウ
両翼ノ下鼓槌如キモノアリコレヲ剪去レバ飛事ナリ難シ
偶閲金川顉記云金川無蚊蚋間有一二飛声薨然大如蜻
蜓 不螫人乃知金文靖北征録
中 紀元故都處有蚊如蜻蜓
信然 嘗撲獲一枚豹文長脚頭
有黒翎如
箭羽戯腊諸
書中以為他日
佐笑

(左頁)
六月十日取之コレ亦トンホノ
類ナリ羽黒クスク背ハササベニ
イロ□□リアリアシノサキ
カバイロ羽青キニエンジイロノ
光リアリテツヤヨシ頭ハトビ
イロ

書き下し

現代語訳

(右頁)
一種蚊の巨大なもの。人を刺す事はしない。俗名蚊ノヲバ又カトウンボウ
両羽ノ下に太鼓のバチの様な物がある。これを採り去ると、飛ぶ事が難しくなる。
偶閲金川顉記*1云金川にはカやブヨがいない。間*2一二の騒然としたトンボほどの大きさの飛ぶ音がある。
 人を刺さず。乃知*3金文靖北征録*4
中 紀元故都處*5トンボのような蚊がいる。
信然 嘗撲獲一枚豹文長脚頭
有黒翎如
箭羽戯腊諸
書中以為他日
佐笑*6

(左頁)
六月十日コレを取る。また、トンボの
類である。羽は黒く透き通り、背中は笹紅*7 
色□□*8り足の先は
カバ色で羽は青に、えんじ色の 
光りがあって、ツヤがいい。頭はトビ色。

備考