千虫譜ウィキ - 原本A2-87


原本B

生物情報

翻刻

(右頁)
桐の木ニ孔〆生ス
黒甲堅シ
守瓜ノ一種

壁ミノムシ
巣扁ニ〆両頭円ニ〆中
クヒレタリ

一種長キモノアリ二種
共ニ両頭ニ口ヲ開アトサ
キヘ虫ノ頭出ス

五加虫至テ堅シ好テア
エムモノナリ

(左頁)
按ル漳州府志ノ瓜虫ハ此テントウ
虫ナリ云瓜虫有翅包身円如相思
子状外文紅黒相間飛則有頸翅足
下有台色純金又帝京景物誌
云有虫若半赤小豆而萆麻點者曰
瓢児生蔬畦
捉之則溺腥黄汚不可脱△

△而童手之不已也
又促織志謂瓢
虫笠翁画傳謂之
紅娘

瓢虫
テントウムシ
如此大者極稀

乾鰹カツオブシムシ 頭大ニ尾ノ方コ
ケ赭色ノ毛アリ毛虫ニ似
タリ黒甲虫ニ化スフシボ
タルト云

書き下し

現代語訳

翻刻

(右頁)
桐の木に孔をして生ずる。
黒く甲は堅い。
守瓜*1の一種

壁ミノムシ
巣は平で、両端は円で、中央は
くびれている。

一種長いものがある。二種類とも
両方の端に出入り口を開き、後ろからも
前からも虫の頭を出す。

五加*2の虫。とてもかたい。好んで
歩くものである。

(左頁)
思うに、漳州府志*3の瓜虫はこのテントウ
虫である。瓜虫は円の様に身を包む羽があり、
相思子*4のようで、外文紅黒相間飛則有頸翅足
下有台色純金*5また、帝京景物誌*6
云有虫若半赤小豆而萆麻點者曰
瓢児生蔬畦
捉之則溺腥黄汚不可脱△

△而童手之不已也*7
又促織志*8では瓢
虫いい、笠翁画傳*9では、これを
紅娘という。

瓢虫
テントウムシ
このような大きい物は稀。

乾鰹カツオブシムシ 頭が大きく、尾の方
コゲ赤色の毛があり、毛虫に似ている。
黒い甲虫になる。フシボ
タルという。

備考