(右頁上段)
ハエトリグモの一種。白褐色で
黒い筋が、二條ある。眼は赤色で
大変美しい。よくハエを取るのが
普通のものより優れていた。
物好きなひとが、
小箱に入れて飼って、腰回りに
身につけて、客をもてなす時、
蓋を
開けさせる事を遊びとする。
よく取ルクモに
逸物と名付て大事するという。
(右頁下段)
セイタカグモ 七月三日ノ夜
明かりの火の下にでる。淡い赤褐色で、透き通る。
走るのが速い。
(左頁)
ツチグモの一種フクログモがいた。長く巣を作る。半分から下に深く
穴をつくって、底に住む。大葉の繭
*1の根に、この巣をつくるのが
これである。
ヒラクモノ一種で、形は円く青黒く白
点ある。頭は赤土色で、足はうすい肉色
である。壁銭のような巣を作って、その中に住んでいる。