千虫譜ウィキ - 原本A3-17


原本B

生物情報

翻刻

(右頁)
鬼面蟹 タケブンガニ ヘイケガニ
島村ガニ 豊前長門ニテキヨツ子ガニト云
蟹譜曰背殻如鬼状者眉目口鼻
分布明白常宝翫之
九州海中ニアリ西国ヨリ関東ニハ
絶テナシ螫左右大小アリ匾長ナル四脚
ツキテアリ蟹类
多シト虽共此モノ甚
異状ナリ乾枯ノモノ遠ニ
寄セ方物ト〆
珍玩スルモノナリ
臺湾府志所謂
鬼蟹状如傀儡者
即此物ナリ
尾州ニモ此蟹出ル事アリオゾサカニ
又オサタ蟹トモ云コレ長田ヲサダノ庄司ノ亡霊
化スル由ヲ云平家カニトハ唱ヘズ長州文字ヶ関海濱ニノミアリト人々〇

(左頁)
長門国阿弥陀寺の什物として、□所の平家蟹の讃廉
国院大相国義満□作のよしその真□のうつしたるを
みれは
嗚呼悲□三界流転の□□の業跋提河のなかれに□
□□□□苦海の波に沈みかかる蟹の姿と化生せしか憐
べし□返し元暦のいにしへをいまの事□□あやまた
□□ろき波舳にあまるつ□く□盛□を□するに
□これかん□んの一時の祢ふかにもあらす平家僅に
二十余年の奢りも聖者必衰の□の来りて終
に東夷の武威にくたかれ寿永秋の一□耳棹
さして西海の波涛耳たたよひ浮■の流に身を寄し
はいとあはれなりし□さたなり□しも元暦二年の
春の頃か□官軍所々の軍に打負て□□□をさして

書き下し

現代語訳

備考

〇は3-19左頁に続く