(左頁上段)
ホウニ種
手でふれれば、青臭い匂いがする。
(左頁中段)
椿象 臭椿
*1に生息する。その
虫にすこしさわれば、青臭い匂いがあ
り長い間消えない。草果
*2
新に刻む匂いに似て、これ
よりも、きつい。 ヨリモ酷烈ナリ草果集
解
*3にその匂い、斑螫
*4のようだというのは、この
虫をさしていうであろう。
(左頁下段)
ホウ ホウズキにつくので、
酸漿
*5をホウヅキという
と大和本草
*6ではいっている。筑紫
*7
の方言である。東都
*8では
ハンニウ カウラムシナドヽ
いうものである。
(左頁左端)
帝京景物略
*9に、亀のような身に象のような鼻を持つ虫がいるというのはこれである。 大如朱櫻
*10曰
臭椿に生ずる椿象
*11はこれに触るべからず。