白頸蚯蚓 和名カブラミミズと呼ぶ。 和名抄に、この名前がみられる。ミミズ
を加州
*1ではメミズという。この虫に眼がなく見ることができないから、この名がありという。
今、この、首が白いものを選んで用いる。味は特に美味しいので、
鰻を釣るのに、これを用いる。大
小色々ある。熱毒
*2を治す。本草
*3に丹毒
*4漆瘡
*5に、この泥を擦り込む事がある。今
蜂刺されの腫れ、その痛みが耐え難いものに、砂糖を調合して、板の上で糊
を練り、泥のようになったのを、
患部の上に塗ると、その腫れ痛みはたちまち解消する。転用
して指の廩疽
*6等の熱毒
*7のひどいものに
塗るとさらに、効果がある。
他の薬の及ぶところはない。
蜂刺されに限らず、大体もろもろの
毒虫刺されに塗る
五六月の時、
暑い時期に向かう頃、三日間くらい
続き、夜中に
土の上に出て
(左頁)
朝、土に入ら
ず、日に干されて、乾いて締まり、圧迫され
平らになり硬くなった
ものが多い。
本草附方
*8
に薬用に使う事
が載っている。地龍蟠
銭のようになっているものを用いるのがいいとする。嬰童百問
*9で銭子、地
龍乾という。ここに描いたものは、これである。小暑六月の節四五日の間にこれがあった。
本綱
*10でいわゆる千人蹈である。