千虫譜ウィキ - 原本A3-30


原本B

生物情報

翻刻

(右頁)
ト〆上好ノ酒媒ニ充テ東都ヘ貢献アリ。コレヲコノワタト云
モ理リアリト思ヘリ

(左頁)
沙噀 ナマコ
尋常ノ者色青黒茶褐色ノ斑アリ
又赤色ニ〆赭黒斑アルモノアリ
赤ナマコト云味仝シ只食料ニ人々
不好因テ漁人獲レハ串子イ
リコ等ニスト云此物ニテ凍
瘡上ヲ擦レハ瘥ト云

書き下し

現代語訳

(右頁)
として、ト〆上等な酒の肴にあて、江戸へ貢献がある。これをコノワタという
のも、理にかなっていると思える。

(左頁)
沙噀 ナマコ
ふつうのものは、色が青黒く茶褐色のまだらがある。
また赤色で、赤黒いまだらがあるものもある。
赤ナマコという。味は同じ。ただ、人々は食料に
好まないので、漁師はとったら、串子*1
リコ*2等にするという。この物で、
しもやけの上に擦り込めば、治るという。

備考