墨客揮犀
*1がいうには、セミににて、形は小さく平らで、屋敷の壁や
書䇿
*2の中にいて、蟹のような長い日本の足が前にあり刺す。後ろを触れば水平動き、
前を触れば、後ずさる。有鄭秀才戯
*3手指でもって、その行動をみようとなんどもこれをはらっていると、
すぐに、刺された痛みのせいで、数日床に臥す。たまたま良い呪術医がこれを治す。呪術医がいうには、この名は
悪颯治らなければ人を殺す。
おもうに、下に図するところ右に、いわゆる悪颯であろう。アトビサリ
の名、砂捊子と同名であるけれども、実は砂捊子の類ではない。
別の一種の小虫である。
*4
アトビサリ
砂捊子、一種のもの。陳久薬
中 たまたま、これがいた。形はシミと同じで、とても小さいので、
観るのがむずかしい。なので顕微鏡をつかって
これをうつした。
(右頁下段)
悪颯 大きさこの通り
(左頁)
当帰
*5ノ虫 怒ると角を生やす
柑橘類の虫
*6に似た匂いがある。また
芎藭
*7白芷
*8藁本
*9及懐(草冠+懐)
香
*10蒔蘿
*11などの虫、みな
同じものを持っているものである。