蛄蟖 イラムシ
乙亥年
*6重陽日
*7園中でとる。柿の葉を食う虫である。小□中
*8で蓄えている所で柿
の葉で養う四五日
をすぎて、雀甕を結
で入る。
鎮江府志がいうには□
*9俗にいう名刺である。
毛虫の房の名は雀甕。毛は人を螫し
すごい毒である。
(左頁)
右の雀甕((イラガの繭))は小□
*10中に、作られたもを、そもまま貯めておいて
釣り下げて置いておいたところ、小穴をあけて小さな蛾が出て小□
*11
中に飛び舞った。去年の亥年 重陽のあと、五日に
繭になたものが、九月十三日から、今年丙子
*12
の七月十日まで294日目に出る。およそ
11ヶ月300日に近い。蚕の比にならない。
雀甕 一名天漿子一名棘剛子一名雀児飯甕一名雀癰一名
躁舎 小児臍風撮口
*13急性慢性の驚風
*14のよく聞く薬である。 信州方言スズメノサカオケ
甲州方言サコケ。これはサカオケの略だろう。現地の人は、目をついて目の痛みが耐え難いとき、これを破って
中の白い液をとって、乳と混ぜてつければ、たちどころに治る。