(右頁)
紡績娘 クツワムシ 赤、青、褐の三種がいる。
その盛んに鳴く時は羽を
動かし、薄暗い暮れから夜中
索々として声をだすのは
つづいてやまない。たいへん
やかましい。それにちなんで、中国の人は
聒々兒
*1という。
麻蚱和名はクツワ久都倭
武之
*2この虫はようすは最も立派である
イナゴの類で大きく茶褐色で声
もまた雄壮で鳴鳴自仲
夏至秋末
*3あたたかい
所のものは霜がおりても、これは
時になお声がある。まさしく
秋虫の中で丈夫なものである。
園にこの虫がいると、
ほかの虫吟
*4がみな聞こえないのでよろしくない。
(左頁)
近くで聞くか或いは、これを遠くの木に放る任其未去點綴秋声亦雅
*5
事耳見于。李笠翁画傳
*6
右寒泉著
*7秋虫考
同右雄は尾が縮んで無い。
刺す事はできない。鳴く事、終夜やまない。
七月八月さかんに出る。
越後産
方言ササムシ
又竹虫𪜈