千虫譜ウィキ - 原本A3-77


原本B

生物情報

翻刻

(右頁)
金鏡兒 和名 スヾムシ

金琵琶 マツムシ

(左頁)
松鈴虫考          源弘賢著
松むし鈴むしの名萬葉集には見えす延㐂の頃よ
りに物にもみえたるさて此二虫の名古今のたかひ有延
㐂の頃ハチンチロリンとなくを松虫しといひリン〱となく
を鈴むしといひたり 忠岑ぬしの西河行幸和歌
          の序にみえたり     源氏物語の頃
よりこのかたはリン〱と鳴を松むしチンチロリンとなくを鈴
虫といふなり 諸□にみえたり〇しかれとも江戸及ひ諸国にては今も古名を
       となふるなり京都にても近世はまれに古名をとれふる人もあり
夫木和歌集巻第十四 虫□ 云延㐂七年亭子院御門御時西河
行幸を御せ給ひたるに忠峯の和哥序に云ひるハ日くらし
虫をもとめよる□夜すから□□のこゑをとヽのへしめ □□
                           曰□
そのこゑきこへかたし
さ□のことのあやまりにや  ある時には此□はに月まつむし を
                             も
しおちし
にや   うかヽひてきんの聲にあやまたせある時には□
への鈴虫を聞て谷の水の音にあらかはれと云々 弘賢曰く琴
                      の聲□チン
チロリンといふに侶て□の□はリン〱となくにかよふへはこの頃の称呼
は□□図となふる所とひとしかるへし

書き下し

現代語訳

備考稿

『古今要覧稿』の引用か