千虫譜ウィキ - 原本A3-78


原本B

生物情報

翻刻

(右頁)
源氏物語すヾむしの巻に云聲□聞えたる中に鈴虫の
ふり出たるほとはれやかにおかし 弘賢曰ふり□たるといひ又花
                やかといへるにハチンチロリンとな
く□はかなふへき末にいまめいたる
といへるもいとよく□□たり    秋のむしのこゑいつれとなき中に
松虫の□□すくれたるとて□□のはる□き型造を分□
いとわさと□とりつくはなた□□へる□るくなきつたふる
こそすくなかなれ名にはたかひて命のほとはかなき虫
に□□つき心にまか□のて人きかぬおく此はるけき型
の松原に知りた□まぬもいと□たて□□虫になん□たる 弘
                                 賢
曰聲おしまぬといへるにハリン〱と□な
□したるそいとよくかなふへき     鈴虫は□やすくいまめい
たるこそらうたけれ 弘賢曰いまめいたるとは□□□くといふ□なり□
          やすくなといへるもチンチロリンとなきたる□
のおもふことなけなる
えいつるなるくし   禁秘抄云松虫鈴虫□□進ミ或被
召賀□□□□□阿院御時□□下□嵯峨□□□逍遥
□鈴虫屋向選虫□□
公事□□云撰虫□□あなかち式ある□□はあらす□

(左頁)
上の逍遥と□□上人ともさそひて嵯峨聖なとにむかひて
虫を篭に□ろひの□□は□川院の御時よりはしまるお本
より松虫鈴虫なとは誰人も内裏に□る又賀我の社司
なとおも作られてもめされたるとなん
年此紀□云松むし鈴虫をのく聲によりて名つ
きたり□を□ていは□黒□松むしあめいろなるはすゝむ
し加□の□□むし□ろひして□裏院□□□るを
ふるくより□のなか関東にてはとりちかへて覚たり 弘
                              賢
曰あめいろなるはチンチロリンとなき黒きはリン〱となくなりこれは源氏物語
このうたの名称なりふるくよりとは禁秘抄にしるされるひしを□□すより
固□を□事なるへししかれとも□□まて□とりちかへミお本元たりとはあ
やまりなりリン〱となくをすヾむしといふは物の名も□□なくよく□
□するなれはかな□□いにしへより伝ふる所あるへきなりたかへりとはいふ
へからす
松虫のうたひに云おもしろや千種にすたく虫の聲の機
織音のきりはたりちやうきはたりちやうはたりさせて

書き下し

現代語訳

備考