千虫譜ウィキ - 原本B1-15


原本A

生物情報

ニホンミツバチ

翻刻

得ルモノ所謂木蜜石蜜ナリ是ヲ総テ山蜜ト云宋奭ノ説中ニ既ニ山蜜ノ名ア
リ是至テ上品ナリ又人家蜂ヲ養ヒ置テ採タル蜜ヲカヒ蜜と云是即家蜜ナリ
其蜂ノ花蘂及津液ヲ採運テ醸成スル事山蜜ニ異ナル事ナシ然レドモ家蜜ハ年々ニ是
ヲ採リ又ハ花蘂も深山ノモノト異ナル故ニヤ其蜜薄ク山蜜ノ濃ニシテ味ニ厚美ナルニ如ズ

書き下し

現代語訳

得た蜜がいわゆる木蜜、石蜜である。これらを総じて山蜜という。
宋奭*1の説の中に既に山蜜の名がある。
また、人家で蜂を飼って採った蜜を家蜜という。
その花粉団子と花の汁を集めて運びかもす事は山蜜と異ならない。
だけれども、家蜜は毎年採り、花の種類も深山のものと異なるからだろうか、
その蜜は薄くて山蜜の濃くて味が濃厚でおいしい
事にはかなわない。

備考