万葉集十一の
養子歌に「たらちねの母が飼うカイコが繭にこもるようにこもっている
愛しい人にあうすべがあればいいのに」とある。かふこ和名抄
*1では蚕。
和名
加比古または
古加比須
蚕―和名抄
*2ではカヒコ、関東ではヲコといい、三月清明後
*3タネガミ
*4おそかれ早かれある。
大概辰巳
*5の時に、わずかにニ分
*6程度黒っぽい茶色で頭がケシ粒のように黒く光るものが出てくる。
蟻とも、䖢というものはこれである。
このタネガミを冷たい水に浸したり、雪に暫く埋める事がある。
とても質がよく、糸が強いという。
桑の若葉が出る前に小さなカイコが生まれれば、食べ物に困るので
出てこないように見合わす事がある。此時はタネガミの角に糸を通して風のとおる所に
つっておく。風によって乾き、卵から生まれる事がない。