栗本丹洲著「千虫譜」のデータベース的なものを作りたい

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*原本B
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*生物情報
カイコ

*翻刻
テ赤褐色ナリ蛹ト云俗ニヒルト云
四国ニテムツゴト云是ナリ面目ノ形
アリ糸ヲヒクトキ鐺((こじり。繭を煮る鍋を指している。))中ニ残ルモノ
ヲホソキ竹串ニ貫キ炙リ香フシテ小児ニ飼ハシムレバ五疳虫
ヲホソキ竹串ニ貫キ炙リ香フシメ小児ニ飼ハシムレバ五疳虫
気ヲ治蜂子ヲ啖フカ如ク
香ク甘味アリサナギ
トモ云
とも云

白殭蚕

其薬用ニシテ上品ナル
モノ直強ニシテ至堅硬折
之内透明ニシテ琥珀ノ如シ
仙台地方民俗コレヲ
ヲシヤリコト云
其皮上白粉ヲ塗ルカ如シ故ニ
白殭蚕ト云
種ヲトルニハ日ニ曝ザル処ノ繭ヲ器中ニ入レ其上ニ藜葉ヲ罯置時は不
日ニ蛹羽化シテ出但繭ノ一頭ヲ破リ穿ツコレ蚕蛾ト云ヲコノテフナリ和
名抄ニヒヽルト云今土州ニテヒイルト云古キ和訓ナリ阿州ニテヒウリ東国
種ヲトルニハ日ニ曝ザル処ノ繭ヲ器中ニ入レ其上に藜葉ヲ※(あみがしらに音)置時は不
日ニ蛹羽化シテ出但繭ノ一頭ヲ破リ穿ツコレ蚕蛾云ヲコノテフナリ和
名抄ニヒヽルト云今土州ヒイルト云古キ和訓ナリ阿州ニテヒウリ東国
ニテヒルト云テフト云燈蛾ニ似テ淡褐色雄ハ体痩小ニテ紙上ニ飛走ス雌
は體肥大ニシテ紙上ニ伏シテ動カズ只翼ヲ動スノミ雄其雌ノ傍ニ至レハ直ニ尾
ヲ合テ会媾ス今繭ヨリ始テ出ルモノ雌アレハ立処ニ交合ス因テ本邦ニ婚
禮ノ式ニメテフ・オテフ熨斗包折形ノ口傳アリ半時ホドニシテ離ス寸ハ赤キ宿水ヲ
下シ種紙ノ上ニ置バ種子ヲ紙上に産スル事一粒ヅヽナラベ重リ合事ナシ天工
開物ニ云ヘルカ如シ曰一蛾計生卵二百餘粒自然粘于紙上粒々勻鋪
ヲ合テ会媾ス今繭ヨリ始テ出ルモノ立処ニ交合ス因テ本邦ニ婚
禮ノ式ニオテフ・メテフ熨斗包折形ノ口傳アリ半時ホドニシテ離ス寸ハ赤キ宿水ヲ
下シ種紙ノ上ニ置バ種子ヲ紙上に産スル事一粒づヽナラベ重リ合事ナシ天工
開物ニ云ヘルカ如シ曰一蛾計生卵二百餘粒自然粘于紙上粒々※(つつみがまえ+二)鋪
天然無一堆積コレ&ruby(まこと){寔}ニ形状ヲ尽シタリト謂ツベシ此紙を蚕連ト云俗名タ
ネガミ又蚕種紙&size(11){三才図絵}蚕布紙&size(11){大観本尊}蚕蛻紙&size(11){附方}蚕故紙&size(11){同上}蚕出紙&size(11){御薬本草}
出蚕紙&size(11){異塁元戒}蚕退紙&size(11){證治準縄}等ノ名アリ○白殭蚕江州ニテオシヤリト云江戸
ニテホシコト云異名直殭蚕&size(11){医宗金鑑}死冰&size(11){輟耕録}白甘遂&size(11){保赤全書}等ノ名アリ俗ニ強蚕
ネガミ又蚕種紙&size(9){三才図絵}蚕布紙&size(9){大観本尊}蚕蛻紙&size(9){附方}蚕故紙&size(9){同上}蚕出紙&size(9){御薬本草}
出蚕紙&size(9){異塁元戒}蚕退紙&size(9){證治準縄}等ノ名アリ○白殭蚕江州ニテオシヤリト云江戸
ニテホシコト云異名直殭蚕&size(9){医宗金鑑}死冰&size(9){輟耕録}白甘遂&size(9){保赤全書}等ノ名アリ俗ニ強蚕
ト書シテ通用ス死蚕ノ白直ナルモノ堅ク石ノ如くナルモノナリ幼科日用薬ナ
リ蝉退ヨリ其功多シ天麻ト組合ノ鎮驚ノ剤缺ベカラズ此物色黒キモ
ノ偽ナリ白殭蚕ハ多ク得カタシ此モノ有ル年ハ蚕ノ當リタル年ナリトテ神

*書き下し
一蛾計生卵二百餘粒自然粘于紙上粒々勻鋪
一蛾計生卵二百餘粒自然粘于紙上粒々※(つつみがまえ+二)鋪

天然無一堆積

*現代語訳
で赤褐色である。蛹という。俗にヒルともいう。
て赤褐色である。蛹という。俗にヒルともいう。
四国ではムツゴという。足なり顔や目の形が
ある。糸をひく時、繭を煮る鍋の中に残る物を
細い竹串にさして香ばしくあぶり、子供に食べさせると五疳虫(())
気を治す。蜂の子に似て、香ばしく、甘みがある。サナギ
ともいう。

白殭蚕((ビャッキョウサン。ビャッキョウ菌という菌類に侵されたカイコの幼虫))

その薬用として上級品である
ものは、真直ぐで、大変固く、折ると
中が透明で琥珀のようである。
仙台地方の民俗ではこれを
ヲシャリコという。
その皮は上白粉(())を塗ったようなので、
白殭蚕という
種((卵))をとるには日に晒さなかった繭を器の中に入れて、藜葉((ヒユ科アカザ属アカザ))をおいておけば
あまり日数を経ない内に蛹は羽化してでてくる。但し、繭の片方の頭を破り穴を開ける。
これを蚕蛾という。ヲコの蝶である。
和名抄((和名類聚抄))ではヒヒルという。土佐ではヒイルという。古い和の読み方である。阿波ではヒウリ東国((関東))では
ヒルという。蝶という燈蛾((夜行性の蝶の仲間を指すか))に似て淡褐色オスは体が痩せ小さく紙の上を飛ぶように走る。
種((卵))をとるには日に晒さなかった繭を器の中に入れて、藜葉を※(あみがしらに音)置時は
あまり日数を経ない内に蛹は羽化してでてくる。但し、繭の片方の頭を破り穴を開ける。これを蚕蛾という。ヲコの蝶である。
和名抄((和名類聚抄))ではヒヒルという。土佐ではヒイルという。古い和の読み方である。阿波ではヒウリ東国にて
ヒルという。蝶という燈蛾((夜行性の蝶の仲間を指すか))に似て淡褐色オスは体が痩せ小さく紙の上を飛び回る。
メスの体は肥大していて、紙の上を動かない。ただ羽を動かすだけである。オスはメスの側にくればすぐに尾を
あわせて交尾する。すぐに繭から出てたちどころに交尾する事から、本国には
婚礼の式に熨斗をオチョウ、メチョウの形に折りつつむ口伝がある。半時ほどして離すと、赤い宿水((蚕の尿))を出し、
婚礼の式に熨斗をオチョウ、メチョウの形に折りつつむ口伝がある。半時ほどして離すと、赤い宿水(())を出し、
種紙の上に置けば種子を紙上に産みはじめる。一粒ずつならべ重リ合う事はない。天工
開物((明時代の宋応星によって書かれた産業技術書))に書いてある通りである。曰一蛾計生卵二百餘粒自然粘于紙上粒々勻鋪
天然無一堆積((翻訳中))これは本当にその様子をよくあらわしているといえる。この紙を蚕連いう俗名タ
ネガミ又養蚕紙三才図絵((1609年出版。王圻とその次男王思義によって編纂された絵を主体とした百科事典のようなもの))にて蚕布紙、大観本草((書物名))。蚕蛻紙、附方(())蚕故紙、同上(())蚕出紙、御薬本草((書物名))
出蚕紙、医塁元戒((書名))蚕退紙、證治準縄((書名))等の名がある。○白殭蚕江州((近江。およそ現在の滋賀県))にてオシャリという江戸
にてホシコという。医宗金鑑((清の乾隆帝の命によって1749年に刊行された、中国の伝統医学全書。))では直殭蚕ともいう。
輟耕録((元末の1366年に書かれた陶宗儀の随筆))では死冰、保赤全書((書名))では白甘遂、等の名がある俗に強蚕
と書いて通用する。死んだ蚕の白く真直ぐで堅ク石ノようになったものである。幼科((今でいう小児科))日用薬である。
蝉退((セミの抜け殻))より、その効き目はよい。天麻((ラン科オニノヤガラ属。オニノヤガラの根茎。腐生植物。))と組み合わせるとき鎮驚((不安感解消))の薬として欠かかせない。此物で色黒い
のは偽物だ。白殭蚕は多く得られない。これがある年は蚕ノ当年であるとして神
開物((明時代の宋応星によって書かれた産業技術書))に書いてある通りである。曰一蛾計生卵二百餘粒自然粘于紙上粒々※(つつみがまえ+二)鋪
天然無一堆積これは本当に形状を尽しているといえる。この紙を蚕連いう俗名タ
ネガミ又養蚕紙三才図絵にて(())蚕布紙、大観本尊(())。蚕蛻紙、附方(())蚕故紙、同上(())蚕出紙、御薬本草
出蚕紙、異塁元戒(())蚕退紙、證治準縄(())等の名がある。○白殭蚕江州((近江))にてオシャリという江戸
にてホシコという。直殭蚕ともいう医宗金鑑にて。(())死冰、輟耕録(())白甘遂、保赤全書(())等の名がある俗に強蚕
と書いて通用する。死んだ蚕の白く真直ぐで堅ク石ノようになったものである。幼科(())日用薬ナ
り。蝉退((セミの抜け殻))より、その功は多シ。天麻((オニノヤガラという植物))と組み合わせると鎮驚((不安感解消))の薬欠かしてはいけない。此物で色黒い
のは偽物だ。白殭蚕は多く得られない。此ものある年は蚕ノ当年であるとして神

*備考

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