栗本丹洲著「千虫譜」のデータベース的なものを作りたい

原本Ａ2-84編集する

最終更新： karasu_miyako karasu_miyako 2021年02月20日(土) 18:15:46履歴


原本Ｂ

原本Ｂ3-6

生物情報

翻刻

（右頁）
蚊の伯母

（左頁）
白蟻　ハアリ　尾州ニテハ子アリ
越中河内伊勢ニテハ■ト云
羽ノ生ゼザルヲ筑前ニテドウ
トヲシト云春月快晴ノ日ニ
羽化シテ出飛フ事甚多シ
遠望雲煙ノ如シ其飛フ事
�皀�事アタハズ風ニ
吹落サレテ地ニ下リ
即翼ヲ脱〆地上ヲ
行キ遂ニ虎蟻ノ食トナリ
蛛網ニカヽリテ終ヲ全クセズ
嵐山云此物大ナルハ長サ四五分ナルモノアリト未タ如此ノ大ナ
ルハ見ズ

書き下し

現代語訳

（右頁）
蚊の伯母

（左頁）
白蟻　ハアリ　尾州*1ニテハ子アリ
越中*2河内*3伊勢*4ニテハ■*5ト云
羽が生えていないのを筑前ではドウ
トヲシという。春のよく晴れた日に、
羽化して大変多く飛ぶ。
遠くから見ると、雲煙のようである。
高く飛ぶ事は出来ず、
吹き落されて、地に落ち、
翼がとれて、地上を
行きついには、虎蟻*6に食べられる
クモの網にかかって、生を全うしないものもいる。
嵐山*7はこの物大きい物は、長さ四五分*8になるものもあるというが、まだそのような
大きい物はみていない。

備考

右上のユスリカの図がＢ本のどれにあたるか不明

白蟻名が付いているが、おそらく蟻の結婚飛行の様を
指している。
  • *1 : 尾張の国。およそ今の愛知西部
  • *2 : およそ富山
  • *3 : およそ大阪東部
  • *4 : およそ三重県
  • *5 : 欠損
  • *6 : ハエトリグモの一種
  • *7 : 小野
  • *8 : 1.2cm〜1.5cm
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