栗本丹洲著「千虫譜」のデータベース的なものを作りたい



生物情報

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此ニ虫偶此処ニアルヲ人見テ咎ヲ此虫二皈
ス素ヨリ此物人ヲ害セントスルニ意ナシ予此
モノヽ為ニ冤ヲ訟フコレ予積年ノ拙考ナ
リ今此ニ疎出シテ同士君子ニ示ス
為鬼為蜮

如此類ノ処ヨリ下ヘ裂テ蝶
出ル空虚ノ殻久ク枝上ニ残存ス

縊女
クビクヽリムシ
オキクムシ

文化紀元薬品会ニテ見タルハ堅硬白漆ニテ塗タル
カ如シ形状ハ異ナル事ナシ是輪池屋代氏
手得ノモノ由

書き下し

現代語訳

この二匹の虫が偶々ここにある所を人が見て、この虫に咎を皈 
す。*1普段から、この虫は人を害そうとする気はない。私は 
この虫の為に冤罪を訴えた。これは私の積年の考えである。
今ここに、出して同士君子に見せる。 
為鬼為蜮

このように頭の所から下へ裂けて蝶が 
出る。空っぽの殻は長い間枝の上に残る。 

縊女
クビククリムシ
オキクムシ

文化紀元*2薬品会*3で見たのは、堅く白漆で塗った
ようだった。形は異なる部分はない。これは輪池屋代氏*4
手に入れたものであるとのことである。

備考

抜け殻の上部が、B本では小枝として描かれている。

枝に糸をかけ、繭を作らない蝶や蛾の蛹を
その姿から首を吊った女性の姿にたとえた事がわかる。

オキクムシは播州皿屋敷で犠牲となったお菊という女性の怨念が
虫に化けるという伝承より。各地様々のヴァリエーションがある。
詳しくはお菊虫で検索。

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