最終更新: karasu_miyako 2024年04月06日(土) 18:08:17履歴
ハ露あらはさす近き比の陳綮 か花鏡に金鐘児磴
稜々 となき小鐘のことしとかけるを平賀といへるがま
つむしといへる訓をつけしこや都のてふりにならひし
なるへし白石といへりし人の東雅とへるふみには螽斯
のたくひといへるのみしるし貝原篤信といへる翁のしきしまのやまと本草には松虫はきり〱すに似てひけあり
鈴虫はそのさま西瓜とへるものゝ種のことく黒くひろ
くして首ささやかにひけなかは白く二條ありとへり翁
は筑前の人にて都よりはしめ東のはてまてもあまねく
あそひありきてかゝるものゝ上もひろ〱見せらにあきら
めたるにかなひたるらんと覚ゆころに源氏物語のすゝむ
しの巻に六條院のことはにいへらく聲々聞へたる中に
鈴虫のふり出たるほとはなやかに出かし秋の虫の声はす
れとなきゆに松虫のなんすくれたるとて中宮のはるけ
き野へを分ていとはさと尋とりつゝはなたせ給へるしる
くなきつたふるこそすくなかんなれ名にはたかひて命の
ほとはかなきむしにそあるへき心に任て人きかぬおく山
はるけき野の松原に声おしまぬもいとへたて心ある虫
になん有ける鈴虫は心やすくいまめいたるこそらうたけれ
とかけり凡松虫はひとけ遠きところにひとも心ほそけに鳴
おれるより人まつ名にたちそめ鈴虫はをのか名を声
ふり出たるなるへしされはいさゝか此ものかたりに
此むしとものこゑのやうをしなはかたれしを証
としかの貝原翁か説にしたかひしはらくあつま
うとのいひつきのまゝに心にへきにや猶ものさための
はかせにとはまほしくこそ 成島勝雄
つむしといへる訓をつけしこや都のてふりにならひし
なるへし白石といへりし人の東雅とへるふみには螽斯
のたくひといへるのみしるし貝原篤信といへる翁のしきしまのやまと本草には松虫はきり〱すに似てひけあり
鈴虫はそのさま西瓜とへるものゝ種のことく黒くひろ
くして首ささやかにひけなかは白く二條ありとへり翁
は筑前の人にて都よりはしめ東のはてまてもあまねく
あそひありきてかゝるものゝ上もひろ〱見せらにあきら
めたるにかなひたるらんと覚ゆころに源氏物語のすゝむ
しの巻に六條院のことはにいへらく聲々聞へたる中に
鈴虫のふり出たるほとはなやかに出かし秋の虫の声はす
れとなきゆに松虫のなんすくれたるとて中宮のはるけ
き野へを分ていとはさと尋とりつゝはなたせ給へるしる
くなきつたふるこそすくなかんなれ名にはたかひて命の
ほとはかなきむしにそあるへき心に任て人きかぬおく山
はるけき野の松原に声おしまぬもいとへたて心ある虫
になん有ける鈴虫は心やすくいまめいたるこそらうたけれ
とかけり凡松虫はひとけ遠きところにひとも心ほそけに鳴
おれるより人まつ名にたちそめ鈴虫はをのか名を声
ふり出たるなるへしされはいさゝか此ものかたりに
此むしとものこゑのやうをしなはかたれしを証
としかの貝原翁か説にしたかひしはらくあつま
うとのいひつきのまゝに心にへきにや猶ものさための
はかせにとはまほしくこそ 成島勝雄
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