最終更新: karasu_miyako 2021年02月20日(土) 22:36:12履歴
(右頁)
宵行 ムシボタル 又云草ボタル夏秋ノ間叢中ニアリ蚕ノ如クハ
ハサミ虫ニモ似タリ尾端白色夜ニ至レハ光アリ蛍火ニ似タリ
鎮江府志蛍有三種一種小而宵飛腹下光明茅根所化也一種尾
後有光無翼不能飛竹根所化也一種水蛍唐李子卿有水蛍賦
正字通云■豳風熠燿宵行註熠燿明不定猊宵行虫名似蚕夜行
喉下有光如蛍
青腰虫
頭ハ平シ尾ハ上ニ向フ
腐臭アリ半身ニ羽ア
リ常ニタヽミテミヘズ時
アリテ飛フ高トビハナ
ラズ此虫又青腰虫
ノ類ナリ文化十三年丙子
八月十八日
西城ヨリ名ヲ尋ニ付青腰虫ノ類和名無之由申上ル
(左頁)
天牛 カミキリムシ 枇杷虫トモ云
寛政十二庚申六月四日雲州内中原一條小左衛門家ニ出障子ヲ
喰破ル音スサマジ色青黄腹ノ方黄褐色ノ毛アリ大サ此図ノ如
シ鬚長サ二寸スギナノ節ノ如シ頭ノ両傍ニ二角アリ錐ノ如ク尖鋭
ナリ当ルベカラズ羽ヲ開テ飛フ其勢鉄壁ヲ破ルカ如
シ
元文五年ノ夏毒
虫出テ多ク人ヲ悩
ス事アリ其虫ヲ
砂セヒゴト云右ノ
虫形状ヲ詳ニセズ
此虫モシ砂セヒゴニ
テハナキヤト里老云ヘイリト云フ
宵行 ムシボタル 又云草ボタル夏秋ノ間叢中ニアリ蚕ノ如クハ
ハサミ虫ニモ似タリ尾端白色夜ニ至レハ光アリ蛍火ニ似タリ
鎮江府志蛍有三種一種小而宵飛腹下光明茅根所化也一種尾
後有光無翼不能飛竹根所化也一種水蛍唐李子卿有水蛍賦
正字通云■豳風熠燿宵行註熠燿明不定猊宵行虫名似蚕夜行
喉下有光如蛍
青腰虫
頭ハ平シ尾ハ上ニ向フ
腐臭アリ半身ニ羽ア
リ常ニタヽミテミヘズ時
アリテ飛フ高トビハナ
ラズ此虫又青腰虫
ノ類ナリ文化十三年丙子
八月十八日
西城ヨリ名ヲ尋ニ付青腰虫ノ類和名無之由申上ル
(左頁)
天牛 カミキリムシ 枇杷虫トモ云
寛政十二庚申六月四日雲州内中原一條小左衛門家ニ出障子ヲ
喰破ル音スサマジ色青黄腹ノ方黄褐色ノ毛アリ大サ此図ノ如
シ鬚長サ二寸スギナノ節ノ如シ頭ノ両傍ニ二角アリ錐ノ如ク尖鋭
ナリ当ルベカラズ羽ヲ開テ飛フ其勢鉄壁ヲ破ルカ如
シ
元文五年ノ夏毒
虫出テ多ク人ヲ悩
ス事アリ其虫ヲ
砂セヒゴト云右ノ
虫形状ヲ詳ニセズ
此虫モシ砂セヒゴニ
テハナキヤト里老云ヘイリト云フ
宵行 ムシボタル また、草ボタルともいう。夏秋の間、草むらの中にいる。イモムシ状で
ハサミ虫にも似ている。尾のはしが白く、夜になると光り、蛍火に似ている。
鎮江府志*1蛍には三種ある。一種は小さく、夜飛び腹の下が光、茅の根から生じる。もう一種は尾の
後ろに光があり、翼は無く飛ぶ事はできず、竹の根から生じる。また一種は水蛍で、唐李子卿*2水の中にいる蛍賦*3
正字通*4云■*5豳風*6では熠燿宵行の註に熠燿明不定猊宵行虫名似蚕夜行
喉下有光如蛍*7
青腰虫*8
頭は平たく、尾は上に向いている。
腐ったような匂いがあり、半身に羽があるが、
いつもたたんでいて見えない時が リ常ニタヽミテミヘズ時
あって、飛ぶ。高く飛ぶ事はできない。
此虫は、青腰虫の
の仲間である。文化十三年丙子*9
八月十八日
西城*10から、名を尋ねられたので、青腰無の類で、和名は無しと申し上げた。
(左頁)
天牛 カミキリムシ 枇杷虫ともいう。
寛政十二庚申*11六月四日雲州*12内中原一條小左衛門*13家の家に出て障子を
くい破る音は、すさまじかった。色は青黄*14腹の方は黄褐色の毛がある。大きさは、此図ノとおりである。
鬚の長さは二寸*15スギナの節のようである。頭の両端に角がある。錐の様に鋭く尖る。
当ってはいけない。羽を開いて飛ぶ勢いは、鉄壁を破るかのようだ。
元文五年*16の夏、
毒虫が出て、多くの人を悩ます
す事があった。その虫を
砂セイゴという。右の
虫の形は、詳しくはわからない。
此虫がもしや、砂セイゴでは
ないかと、里の老人が言ったという事だ。
ハサミ虫にも似ている。尾のはしが白く、夜になると光り、蛍火に似ている。
鎮江府志*1蛍には三種ある。一種は小さく、夜飛び腹の下が光、茅の根から生じる。もう一種は尾の
後ろに光があり、翼は無く飛ぶ事はできず、竹の根から生じる。また一種は水蛍で、唐李子卿*2水の中にいる蛍賦*3
正字通*4云■*5豳風*6では熠燿宵行の註に熠燿明不定猊宵行虫名似蚕夜行
喉下有光如蛍*7
青腰虫*8
頭は平たく、尾は上に向いている。
腐ったような匂いがあり、半身に羽があるが、
いつもたたんでいて見えない時が リ常ニタヽミテミヘズ時
あって、飛ぶ。高く飛ぶ事はできない。
此虫は、青腰虫の
の仲間である。文化十三年丙子*9
八月十八日
西城*10から、名を尋ねられたので、青腰無の類で、和名は無しと申し上げた。
(左頁)
天牛 カミキリムシ 枇杷虫ともいう。
寛政十二庚申*11六月四日雲州*12内中原一條小左衛門*13家の家に出て障子を
くい破る音は、すさまじかった。色は青黄*14腹の方は黄褐色の毛がある。大きさは、此図ノとおりである。
鬚の長さは二寸*15スギナの節のようである。頭の両端に角がある。錐の様に鋭く尖る。
当ってはいけない。羽を開いて飛ぶ勢いは、鉄壁を破るかのようだ。
元文五年*16の夏、
毒虫が出て、多くの人を悩ます
す事があった。その虫を
砂セイゴという。右の
虫の形は、詳しくはわからない。
此虫がもしや、砂セイゴでは
ないかと、里の老人が言ったという事だ。
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